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おまけ・遠距離中の二人(88話)

玄関ファイト・4

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「…なに?悠里」

「あ…ゴム、心平くん、つ、着けないの?」

「んー、マーキング、したいなぁって…ね、」

 ぐに、ぐに、と先端が擦れて穴にハマろうとする。

 びく、びくと悠里の肩が揺れる。

「あの、不可抗力なんだよ、人当たり良くしとかなきゃ、分かるでしょ、」

「分かるよ、でも嫉妬するんだ…悠里、お尻、入れやすいようにして、」

「ここじゃヤだって」

「ならベランダにする?」

「…なんなんだよ、心平くんのくせに…」


 その舐めてる男に向けて脚を尻を拡げる矛盾。

 腰を低く、長い脚を折り責めに合わせる不条理。

 いまだに根にある蔑みの心、しかし心平はフフンと鼻で笑い、

「その僕が好きなくせに」

と突入した。

「あッ…あ、あ‼︎」

「おー…ふふ、悠里、ぐちょぐちょじゃん」

「塗った、からッ…あ、おフっ…お、お…♡」

「あんまり、他の人に、色目使わないでよ」

「づがっで、な、いッ…いッ♡ハ…心平くんッ♡あ、あー」

 金属製の扉がガコガコと音を立てる。

 ドアポストから僅かに外の光が差し込んで、悠里の膝を照らしていた。

「悠里、嫉妬しちゃうんだ、好き、だからッ」

「僕らって、好き、らもんッ♡こんな、こと、されれも、好き、あ、きもちい、やばあ、」

「外に聞こえるよ」

「じゃあ、やめてよぉ、ヒん…すごい、きもちい、」

 心平は手を回し、悠里のソコを握ってやった。

 前と後ろを好き勝手されて、快感と羞恥に悠里の口は回らなくなる。


「どっちが先だと思う?僕と、悠里」

「(心平くんに、決まってんじゃんか、僕は早漏なんだからッ)」

「このまま出すとドアに掛かっちゃうね、後で拭こうね」

「(臭くなっちゃう、もう、心平くんは何のスイッチ入っちゃったの)」

 ボヤける視界、働いて疲れて帰ったのに更に運動させられるなんて思いもしなかった。

 射精するにもエネルギーは使うし、心拍数が上がって疲労も溜まる。

 ならば気持ち良くなるかスッキリしないと割に合わない、でもラブラブな雰囲気ではない。


 悠里はしいたげられるシチュエーションに慣れていないので、Mの役割であまり興奮しない。

 責められて感じるとすれば、それは「心平にされている」時のみだ。

 その心平にでさえ、反抗されるとイライラしてしまうのだから生粋のお坊ちゃんなのである。

「悠里、悠里…」

「(心平くん、すごい硬くなってる…僕より優位に立って、嬉しいのかな…んー…気持ち良いけど、イチャイチャする方が萌えるのに…展開的には、僕が先にイっちゃって、ヤレヤレで罵倒される感じ?僕は普通にシたいよ~)」
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