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おまけ・遠距離中の二人(88話)
玄関ファイト・3
しおりを挟む「わっ…痛った、なに…」
「早く終わってたのに、あの子とお喋りしてたから遅くなったんだよね?」
「は?予定より早く上がることになったけど、ここに着いたのは予告してた時間通りじゃん、何が不都合なの」
「お喋りしてなきゃ、もっと早く帰って来れたじゃん。それとも、お喋り込みで嘘の時間を僕に教えてた?」
「んなこと出来るわけ」
さらなる反論を、唇が塞ぐ。
ちゅっちゅと、強くじゅいっと、吸引音が鳴る。
「んッ…あんまり、こんな気持ちになること無いんだけどな」
「…ちょ、心平くん!」
心平は悠里のラフなスウェットの腰紐を解く。
重めのコットンのそれは、緩めればストンと足元に落ちた。
「ムカつくんだ、僕以外の子と仲良くしてるの見ちゃって」
「そんなの気にすることじゃないから、あの、恐いんだけど」
「そっち向いて、ドアの方」
「あの」
「悠里、遅かれ早かれだよ」
セックス中しか、心平は悠里を呼び捨てにしない。
つまりは随分前からもうセックスに入っている、それが分かり悠里の体が硬くなる。
「……」
「はい、パンツも…お尻、突き出して。大丈夫だよ」
「何が大丈夫……ッあっ⁉︎」
場所にそぐわないローションの冷たい感触に、悠里は飛び上がる。
そもそも、玄関で下半身を剥き出しにすることがそぐわないのだが。
「悠里、モテ過ぎ」
びたびたと、心平はモノで悠里の尻頬を叩く。
準備万端な硬さを誇示して、お仕置きも匂わせる。
今回の件は悠里に非は無い。
巻き込まれというか、話を上手に切り上げるスキルが足りなかっただけだ。
「か、顔は仕方ないじゃんか、」
「社会性まで身に付けちゃって、お客さんを虜にしちゃって…オジサンからお金とか貰ってないよね?」
「す、する訳ないじゃんか、なんなの、心平くッ」
ぬるっとした温もりが穴に当たり、悠里はびたと動けなくなる。
男同士だから避妊なんて必要無いが、エチケットとして着けていたスキンが今日は着いていない。
お互い病気なんて持ってないことは知っている、でも衛生面を考えて着けている。
だって最後に果てる時に、それが無いと胎がぐしょぐしょになってしまうから。
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