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 僅かに張りが弱くなり、すこすこと摩擦が少なくなる。

 自然体を受け入れる頼もしさを期待した悠里だが、また途中やめにされては申し訳なくなる。

 悠里はチョキからパーに変えた手を心平に差し出して、

「ちゅー、して、それなら、見えないからッ」

いびつに笑った。

「悠里、」

 心平はすぐさま体を倒し、悠里のいやに力の入った口元にキスをする。

 歯を食い縛ってガチガチと音がする。

 ふぅふぅと辛抱している息が聞こえる。

 心平は可哀想にと思いながらも、喘ぎ声が骨に伝わり脳に伝わり、どうしようもなく興奮してしまった。

「(悠里、悠里…気持ち良い、ごめん、痛いかな、もうちょっとだからね)」

「(すっごい…ふわふわする…気持ちー…僕、こっちの方が向いてる…)」


 はむはむと唇を噛んで舐めて、髪を撫で、頭を固定して。

 5月の陽気は夕暮れで少し涼しくなり、しかし二人の肌は汗で濡れて。

「(あー、もお、出る…伝えたい、イくよって)」

「(心平くん、パンパン…硬い…きもちい…何だろ、モゾモゾしてる)」

「(イく、悠里で、イくから、)」

「(なに…?あ、速…うわ♡スパート掛けてんだ、あ、)」

 超絶の至近距離でうっすら目を開けて、動きの中でも二人は見つめ合えた。

 心平は最後の力でもって腰を振り、悠里は受け止めようと脚に力を入れる。

「(イく)」

「(イって)」


 速く一定に、自分本位に抜き挿しを繰り返し。

 そしていよいよとなると心平は唇を離して一層奥で、

「ッあ…♡ゆーり、んあ、あ♡♡♡」

 と声を裏返し、果てた。
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