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しおりを挟む悠里は布団を被り、まず瞑想から始めた。
これは心平の尻だ、これは愛しの心平の穴だ。
自分が雄になるのなら、当然のようにここに挿れねばならない。
興奮するのは簡単で、悠里はすぐに戦闘態勢に入れた。
体位は正常位が良いが形状ゆえに不自然な格好になる。
ならばと後背位をイメージして、悠里は枕を見下ろして位置についた。
「…あ、あッ♡やば、こんな、」
手の自慰行為とは異なる感覚に、悠里はひゃあと声を上げる。
「心平くんッ♡すご、い♡あ、やばァ、すぐイっちゃう」
これが本物だったら、心平はどんな顔をするのだろう。
どんな声で、どれだけ恥ずかしがって自分を昂らせてくれるのだろう。
しかしその様子を見る資格を失くしたのだ、現実を思い出せばひゅんと萎える。
途端にまとわり付くシリコンが鬱陶しくなり、粘質を持った温もりもサラサラの質感も、膝をついたシーツでさえ煩わしく感じた。
「くそっ……僕が、僕が…」
初めての恋で初めての失恋をして、これまで失敗なんてしてこなかった悠里は言い得ぬストレスで身が潰れそうになる。
先走って拒まれて失った想い人の存在は大きかった。
もっと早く打ち明けて、関係を創っていけば良かったのに。
真剣に告白して、体目的でもイジメでもないと伝えていれば良かったのに。
悠里はオナホールを引っ剥がし、しかし竿を離すことが出来ずベッドに倒れ込んだ。
「ゔー…」
枕に顔を埋めて、手の中のシリコンを心平だと思ってにぎにぎと弄ぶ。
スッキリすることも叶わず、種々のモヤモヤが腹で蠢いて気持ちが落ち着かない。
辞めずに家庭教師を続けてくれる心平の真意が分からない。
次に会った時に何を話せば良いのか。
「(雑談、できるかな…)」
恋愛対象にここまで性愛を抱くのがそもそもの間違いだったのかもしれない。
大人ぶってスマートに進めたつもりが、誰よりガキ臭いスケベな展開を繰り広げてしまった。
さて自分に出来る挽回策はあるのだろうか…それはやはり本来の関係にて見直してもらうのが最良か。
「…よし」
悠里はオナホールをベッドの隅に隠し、就寝時間を1時間延ばして参考書のおさらいをした。
元々が優秀な悠里だが、そこからさらに信頼を取り戻すにはこれしかないと思われた。
次に心平に会う日までに、少しでも真面目な人間になろうと…悠里は奥歯をギリギリ噛んでは机に向かうのだった。
そして翌朝、悠里は父親にとある提案とお願いをしてみた。
自立と大人になるための第一歩を父は快く受け入れてくれて、2学期の始業と共に悠里の計画も開始された。
近所を歩いても心平に遭遇することは無かったが、それが逆に悠里の心に火を付けることとなる。
「(待っててね、心平くん)」
結果がどうなろうと損にはなるまい、少年の多忙な生活は目まぐるしく過ぎて行く。
つづく
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