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しおりを挟む諭す心平は本当に先生然としていて、悠里は小学生のように手を膝に置きポロポロと涙をこぼす。
背伸びした子供の悪戯だが、された方の人生を狂わせる危険性だってあるのだ。
むしろ何とも思ってない者から性的な嫌がらせをされれば、普通はトラウマものの精神的苦痛を伴うものだ。
その辺りの想像力が欠けていた、心平は自分に靡くと信じ切っていたガキっぽさが愚かしく恥ずかしい。
「…せめて、先に告白するとか…段階を経ていれば、僕もそこまでじゃなかったと思うんだ。なんだかんだ、悠里くんのことは嫌いじゃないし…でも男の子を恋愛対象に考えるとか、そもそものところからの構築が必要だったと思うよ。今日のことは、僕がたぶんオーラルに抵抗があったから余計に無理だったんだと思う。好奇心に従ってはみたけど、気持ち悪さが興奮を上回った感じがする。そういう、相手の好みとか、趣向をきちんと把握してからこういうことはした方が良いと思う…あは、恋愛したことない童貞の意見だけどね」
咥えておいて高説を垂れるのは、心平もバツが悪い。
相性が合わなかった相手と事後の感想戦をしているようで、心平はまだ悠里にも気を遣っていた。
「ごめんなさい」
「もう謝らないで、流された僕にも責任はある。悠里くんは、流されて従ったことを好意的に捉え過ぎたんだよね。これで例えば最後まで…エッチまでしてたとしても、それは恋愛じゃないと思うんだ。一時の気の迷いとか…脅しね、心から結ばれたことにはならないと思う……帰るね。今後のことは…お父さんに僕から話すよ。忙しくなったとか言って」
「辞めちゃうの⁉︎」
「続けられないでしょ。お互い、気まずいよ。悠里くんが嫌いになった訳じゃないんだ。でも、もっと大人になった方が良いと思うんだ…僕も、簡単に流されない強さを持たなきゃいけないし。悠里くんも、他のことに目を向けてみたら良いんじゃないかな」
寛容なようでドライな言葉を最後に、心平は悠里の部屋を出た。
階段を降りたら悠里の母がキッチンから出て来たので、挨拶をして心平は屋敷を後にする。
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