上 下
34 / 107
3

34

しおりを挟む

「(悠里くん、照れてる…?しなきゃ良いのに…僕だって、逃げれば良いんだけど…)」

「(つい昔みたいに呼んじゃった…恥ず…)」

「(抵抗あるなぁ…でも、本当にこれが最後なんだったら)」

「(流されて、くれないかな)」


 イジメみたいな目的でしていることだろうが、そこに他の理由があるのか。

 あったらどうだというのか。

 上がる心拍数、滲む汗。

 悠里は退かない、実行すればこの時間は終わる。

 エッチなことへの好奇心、ここは密室、相手は幼馴染。

 悠里は口外はしない、そこの信頼感だけはある。

 拒絶して悠里と縁を切る選択肢もある、今日はそれくらいの覚悟を持って来ている。

 小さなプライドを守るため、辱めを受けないため。

 しかし若さと興味が、厳しい拒絶を惜しがっている部分もある。

 だって家は近所だし、親同士も仲が良いし、絶縁した理由を親に話せもしない。

 文字通り目の前に突き付けられた誘惑に、決意が揺らぐ。

「(…してみても、良い…かも…悠里くんが、言うから、僕に、させる、から…もう、これっきりって言ったし…)」


 全部悠里のせい、湧き上がった欲求を満たすことに理知的な理屈なんて要らない。

 悠里が強いたから、悠里が脅すから。

 何を言われても被害者ムーブで切り抜ければ良い…

「最後、だからね、あ、あーん、」

心平は悠里の真っ赤な顔を見上げたまま、口を開けて舌を出した。

 これを拒めるなら最初から断ってるわな、情けない自分を俯瞰ふかんで感じつつ息を止める。

「わ…」

「ん…」

 味も付いてない、化学製品の匂いが強い。

 迎え受けた舌がじわじわと塊を温めていく。

「ん、んあ」

「心平先生…えっちだなぁ…ふふッ」

「あム」

 ちゅぷっと、開いた歯の間からカリ首が口内へ入る。

 思っていたより大きくて、心平は目を丸くして驚いた。

「(おちんちんって、こんなに、太いんだ…そう思うと、普段の食事って、そんなに口を開けてないんだな)」


 心平が割と現実的な感想を抱く中、咥えさせた悠里の心中は穏やかではなかった。

「(あー!心平くんが、フェラしてる、お口に、あー!もっと、挿れたい、怒るかな、吐いちゃうかな、あ、可愛い、えっろい♡させたい、僕の、咥えてもらいたい、)」

 ゆるゆると、悠里は腰を揺らして竿を奥へと突き込む。

 鼻の下が伸びた無様な心平を見下ろして、堪らなく興奮した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~

柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】 人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。 その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。 完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。 ところがある日。 篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。 「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」 一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。 いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。 合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

処理中です...