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「…悠里くんが浮かばなかったって言うと嘘になるよ。でもね、前にも言ったけど…そういう想像をするのは失礼だから。知ってる人を妄想のネタにするのは…僕は、そういうことが人の道に反する気がして、出来ないんだよ」

「…浮かんだ?ちょっとでも?」

「…うん、ごめんね、でもすぐ掻き消したから。悠里くんで変なこと考えてないから安心して」

「してくれて良いのに」


 心平はキョトンとして困り眉になり、小首を傾げる。

 心配して様子を窺うこの表情は、悠里好みの顔だった。

「…?」

「僕を想像したら?出来る?」

「えっと…」

「道とかそういうの抜きにして、僕の体だと思えば、出来る?」

「…質問の意味が分かんないけど……ごめん、あの……その、お尻に、挿れるという発想が無いから…無理だと思う」

「そう…」

 心平の答えに悠里は一瞬だけ項垂れて、しかしすぐに復活する。

「(じゃあ、心平くんが下になるしかないね)」


 悠里は心平と恋仲になるにあたり、オス・メスをどう割り振るかを兼ねてより考えていた。

 カップルとして仲良くするにはどちらでも良いが、きっとリードは悠里がすることになる。

 デートの行き先を決めたり、いつものようにおちょくったり恥ずかしがらせたり。

 けれどセックスは、心平が攻めてくれたらなと…悠里は密かに望んでいた。

 気弱で控えめな心平の奮う姿、欲に突き動かされる姿を見たい。

 汗だくになり自分を求める姿を、困り顔で果てる姿を。

 悠里は女性を嫌悪しているので自身をメスの役割に貶めることが酷く屈辱的ではあったのだが、そうしてでも心平の雄々しい勇姿を見たかったのだ。

 しかし心平はアナルには関心は無い様子、ならば悠里がオスをするしかない。

「(交代でも良いけど…時間かかりそう)」

 女性器のオナホールでは抜けたのに悔しみが過ぎる、しかし同性愛を我が事として考えたことが無いならば心平の反応は当然か。

 慣らして、心平を抱けるよう進めて行くか、悠里はニンマリ笑って心平を見つめた。

「…?」

「コレ、僕のだと思って、触って?」

悠里はピンクの竿を握り直し、心平へと差し出す。

 触ることに大きな躊躇は無いものの、その先を考えて心平は手を出さない。
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