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 もぞもぞ、ごそごそ、心平は布団の下で準備を始める。

 挿れたフリをしてやり過ごせるか、でも正直な心平は狡猾な悠里を騙せない。

 何もかもが無駄だ…心平はいっそ道化に成り下がり、悠里の汚い心を満たしてやろうと決めた。


「…どんな感じ?」

「まだ、挿れてない……あ、冷たい…」

先端に当たるひんやりとしたシリコン、形状は模したのだろうが温度はどうにもならないらしい。

「…勃ってる?」

悠里は透視するように目を細め、わくわくと布団の動きを観察する。

「勃って、る……あ、うわ、あ、」

「どう?初めてのま◯こは」

「その言い方、好きじゃない…」

「そう?僕も響きは下品だと思う。だからこそそう呼ぶんだけどね」

「…悠里くんは、女の子が嫌いなの…?」

 心平が女性を擁護したように聞こえて、悠里はキッと目付きが鋭くなる。

「好きじゃない。母さんは好きだよ、別格。でも自分と同世代の女は好きじゃない。嘘つきで見栄っ張りで、強欲で恥知らず」

「め、めっちゃ言うね…何かされた?」

「僕とお喋りした子を、女子の集団が虐めてるのを見ちゃったことがあるんだ。最初は可哀想だと思ったけど、どっちも僕への下心があったみたいだから…うちはそこそこ金持ちだからね、玉の輿狙いも多いんだ」

「へ、へぇ…凄まじいね」

「メスの話は良いじゃない、さ、とっとと突き刺して、征服しちゃって」

 どこまで真実か不明だが、心平は悠里にも苦労があるのだなと納得した。

 しかしその鬱憤と自分がホールを当てがわれることに整合性は無いのでは、と口には出せず。

 いっそ本当に発熱していそうなくらい、じんじんと身体が熱くなっている。

「行きます………あ、あ…」

「入る?気持ち良い?」

「そこまでじゃ……あ♡」

「教えて、どんな感じ?僕は女は経験できないから、教えて、」

「え、あー……あの、ヒダヒダが、当たって…うわ……き、もちい…」 

 纏わりつくゼリー、人肌で温まってシリコンとの一体感が増す。

 奥まで入ってもまだ足りない感じ、先端がかするそこに何かある気がする。
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