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「やだ。もっと先生を困らせたい」

「何でだよ…」

「誰にも言わない。僕とこういう遊びしてくれるだけで良いから…ね?OKしてくれなきゃ、今撮った写真を親に見せちゃうから」

「やめて、で、でも、その、は、犯罪になっちゃうから」

「互いに同意してれば良いじゃん…あと、僕は裸になる気も無い。警察に訴える気も無いよ、バレなきゃ良いじゃん」


 なんて腹黒い御曹司だろう、心平は悠里のモノに押されながら頭がぼんやりとして来た。

 温かい、鼻先で押せばぴくんと疼く。

 熱い息を掛けて、温かい空気に包まれる。

 数枚の布で隔たれた向こう側に、魅力的な肉の塊がある。

 これは悠里のだからとかではなく、誰のモノでも同じことが起こっただろう。

 もっとも、相手が悠里でなければこのようなおかしな状況にはなっていないだろうが。

「(やばい…男の子なのに…あったかくて…興奮してる…)」

「先生、そんなに…擦り付けないでよ…はち切れちゃう」

「してない…ご、ごめん…こういうの、初めてだから…ごめんね、男の子にドキドキしちゃって…」

「…ドキドキ、してくれてるんだぁ♡嬉しいな」

 ぐりぐり、押し当ててももう心平は抵抗しない。

 恐ろしいほどに体が順応して、本能に従順になっていた。

「…悠里くん…熱い…」

「そう…?触っても、良いんだよ…?」

「それは、出来ない…ごめん、恥ずかしいんだけど、ひどく興奮してて…おかしいね、男の子相手に、こんな…」

「ううん、変じゃないよ…目の前にあれば、気になっちゃうよ…」

 悠里が少しイスを引けば、太ももに寄り添った心平の頭もずるっと一緒に引き出される。

 影から明るみに出されて、心平は辛そうに恥じた。

「変態みたいだよね、ごめん…」

「しばらく、そこに居て?先生…残りの問題、やっちゃうから」

「出来るのかな…」

「余裕だよ、僕の方が変態なんだ」


 またまたどうしてか、家庭教師であるはずの心平は、生徒の股座にてテストを見守った。

 カリカリと鉛筆の走る音を聴きつつ、頬に悠里の温もりを感じる。

 心平は脅されたのを抜きにしても、正直、心底嫌という訳でもなかった。

 性に関心はあるし、悠里は男性だが魅力的な人間だと思っている。

 さらに年下だし子供だし、こんな悪戯を仕掛けてトロい自分を揶揄からかいたくなったのかなと、イジられ慣れた性格はストンと納得してしまった。

「(本当、大きく…なったなぁ…)」
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