君は、裸の王子さま—イタズラ御曹司は気弱な幼馴染みが欲しくてたまらない!

茜琉ぴーたん

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 1階に降りると、ダイニングにはご馳走が並べてあった。

「心平くん、お母さんには食べて帰るって伝えてあるから。買い物の帰りに会ったの」

民恵は、ニッコリ笑う。

「あ、忘れてた…すみません」

 はて心平の返答など関係なく、最初からそうするよう段取りがされていたらしい。

 民恵は心平の分の食材も、買っていたようだ。

 もしくは富裕層だから食品のストックは過剰にしているのかな、などと人の良い心平は自分が納得する答えを導き出した。


「いただきます」

「いただきまーす」

 食事は和やかに進む。

 悠里も父母も心平と積極的に会話をして、昔馴染みということもあり気まずさなど感じさせない。

 心平が小さな頃から悠里の家は富豪扱いで、しかし夫妻は驕らない人柄なので周囲に上手く溶け込んでいた。

 ご飯もおかずも大変美味しくて、心平は悠里との一件を忘れそうになっていた。


 そんなふわふわした心平を横目で見遣り、悠里は

「心平先生、美味しい?」

と、ぎゅうっと心平のソコを握った。

「えっ⁉︎」

「どうしたの?そんな大きな声出して。母さんの手料理、楽しんでくれてるかなって聞いてるんだよ」

「あッ♡……あ、いや、美味しい、よ…」


 向かいには微笑ましく見守る夫妻、「やめて」などと言えば当然不思議に思われる。

 そして何をされてるかなんて説明できないし、したとすれば悠里が叱責を受けてしまうだろう。

 それどころか「どうして男の子にそんなことを…?」とセンシティブな問題の家族会議が始まってしまうかもしれない。

 その席に他人が当事者として座るなんて耐えられない、心平は甘んじて悠里の弄りを受け入れるしか出来なかった。

「(悠里くんが恥ずかしい目に遭うよりは、僕が我慢すれば……あー……ヤバいって、気持ち良い…)」

 自分しか触ったことのない所を他人に触られる、それどころか愛撫をされる。

 気持ち良くなるように、試すように、意図的な指遣いで弄ばれる。

 表向きは食事をして、震える手で白米を口へ運ぶ。
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