彼女は銀狼ギャル、ときどきコアラ

茜琉ぴーたん

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5日目

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「いや、あ、」

「手使わずに入るかな?な、見て、」

「あ、あ、」

 じりじりと迫る車崎の先端が恥丘に大陰唇にとタッチして、ビヨンと跳ねてはポリウレタンの冷たい感触が膣口に当たった。

「シューカ、巻き込んだら痛いから、自分で拡げて、」

「え、ここ?」

「そう、うん……せや、あれ見たか?高校の…第3実習室のスクリーン」

車崎はふるふると振って翻弄しては学生時代のとある物を思い出して秋花にも紹介しようとする。

「第、3…?」

「ん、挿れるよ…拡げて、黒板の横にスクリーンあったろ、引き下げてプロジェクターで映すやつ、ん♡」

「あ、ッ……た、です、」

にゅぷにゅぷと肉を割って侵入する男を睨んで、しかしかつての実習室を記憶から掘り起こして秋花の目線が落ち着かない。

「んあ♡あの部屋、滅多に使わへんやん、な?」

「あ、いッ…」

「なんかのスライドで使おう思うて引き下げたらさ、デカデカとおま◯こマークが描いてあってん、あれはビックリしたわ」

「は、ぁ?」


 下品、あまりに下品、灯台の地図記号に似たそのマークはその実習室以外にも在学中にあらゆる場所で落書きとして秋花も目にしていた。

 「いやらしいことを知っている自分」を誇示したい年代だったのだろうか、描いた犯人は大人になって思い出して恥ずかしさにのたうち回ってなければいいのだが。

 つまりは開いた秋花のソコからあの下品なマークを連想したのだろう、彼女は羞恥と憤りで顔を赤くする。

「雑巾で拭いても落ちんくてな、作業中もギャラリーが集まりよるし…あれは恥ずかったな、今も残ってるやろな、」

「しや、から、なん、ですのッ…ンあ♡」

「うん…思い出した、だけよ…キレイに開いたからなぁ、…ん♡」

 会話の内容とは異なりスローペースで深く沈む車崎はムーディーにセクシーに喘ぎ、

「ピンクでキレイよ、シューカちゃんのおま◯こは、な、」

とリアクションも取れない褒め言葉で秋花を更に困らせた。

「あほぉ、…っあッ?あ、あ…♡」

「キンタマも当たって気持ちええ…シューカちゃん、気持ちええかぁ?目ぇ覚めた?」

「覚めてる…、もう…ッひ…」

 ざらざら、もしゃもしゃ、尻にぺちぺちと当たるその音も次第に湿り気を増して、粘度を増し吸盤のように貼り付いては剥がれる。

「ピンク…な、安直に可愛いイコールピンクやねんけど…シューカは…せやな…白色LEDに替えよか、助手席の足元灯、」

「知ら、ん、よ、」

「薄ピンクとか…オレンジもええと思うてんけどな、やっぱコアラちゃんのシルバーに近い色な、髪色は変わるやろうけど…淡路島の思い出に、な、替えとこな、」

「好きにッ…して、知らへん、よ、」

 また無駄遣いして…外したピンクのLEDは捨てちゃうの?なら貰って愛車に付けてもいいかも。

 自分のためにあつらえたあのキュートな電飾を、処分してしまうのはもったいないと秋花は思っていた。

「秋は白、ナントカ白秋な、」

「きたはら、れす、」

「うん、シューカには白、ぴったりや、秋の花みたいに可愛いシューカ、な、お♡」


 秋に生まれたから「秋花」、ちなみに兄は春生まれで「春馬はるま」である。

 名付けは共に亡き父、安直で語感の悪い名だがそこに冠した「花」は彼女の女性としてのささやかな自信というか裏打ちみたいな物になっていた。
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