彼女は銀狼ギャル、ときどきコアラ

茜琉ぴーたん

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4日目

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「…そういや、『お土産』としか聞いてへんけど、いっくんに何くれたんすか?」

「ん、車のおもちゃ」

「せやろ思うた」

予想が当たり、秋花はふふと笑った。

「好みとちゃうかったかな?男の子でも、人形遊びとかの方が好きな子おるやんか」

「好きや思いますよ、あの子、動くもんは興味あります」

「良かったわ。持ってじぃと眺めてるだけやったから」

「まだ遊び方が分かれへんのかも…」

 模型なのかギミック付きなのか、どのような玩具かは知らないが「くるま」を認識して走らせて遊ぶようになるのはまだ先のことだろう。

「そうか…」

「シンタローさんも、小さい頃から車好きでした?」

「そこそこな、普通よ……本気で、仕事にしようて…進路考え出したんはシューカに会ってからかな」

「へ、そうなんすか⁉︎…っ…イテ」

驚いた秋花は窓枠についた肘がずり落ちて妙な所を打撲した。

「うん、親父さんの生前から俺もシューカもミズモリ出入りしてたやん、整備士って仕事が気にはなってたよ。んで親父さん亡くなって…元々高校は工業って決めててんけど、シューカが整備士目指してる言うの聞いて、俺もなったろかな思うて勉強始めた」

「はぁ、」

「んで、シューカも入学して…変わらず自動車関係って決めてたみたいやし、同じ業界で働けたらなって思うて…たまたま今の会社が募集してたから上手いこと入れたし…手に職ありゃあどこでもやっていけるしな。車関連で大型免許も取ったし…牽引も去年取ったよ」

「へ…すご、」

「シューカを追いかけたっていうよりは、何しよかな~て迷ってる時に選択肢を与えてもうたみたいな…そんな感じやな……別に、先回りストーカーちゃうよ、うん…」

車崎は細い目で遠くを見つめ、降りるインターまでの距離を確認する。

「へぇ…すごいな…」

「シューカは?目標とかは」

「んー…とりあえず…特殊も取りたいし…あと、板金とか…割と上手いんで資格取りに行こうかなとか…」

「確かに、お前は親父さん譲りで塗るの上手いわ。…ほー…前向きやな…」


 資格手当が出る会社なので取っておいて損は無い…二人はそれぞれに未来を考えていた。
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