彼女は銀狼ギャル、ときどきコアラ

茜琉ぴーたん

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4日目

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「よし……ふー……トイレ、済ませよか」

「はい、」 

とりあえずトイレと水分補給、二人は建物へ入り用を済ませる。

 トイレの前で合流して表の自動販売機へ、秋花はブラックの缶コーヒーを、車崎はカップのメロンソーダをそれぞれ買った。

「(かわいい)」

「なに?」

「いや、カラフルなもん好きっすね」

「色で選んでるわけちゃうよ…まぁ好きやけど……美味い」

 しっかりしているようで少年のようなあどけなさがあって、そんな事を意識すると途端に秋花は口元が緩んでしまう。

「ニヤニヤすんなて」

「してへんし……ふふ」

「そこ、座るか」


 広い駐車場を見渡せるベンチに腰掛け、二人はお互いに停まっている自動車に目を凝らした。

「シンタローさん、今入ってきたの、あれ、好きなやつ!」

「どこ、ほんまや!後期型や…どんな人が乗ってんねやろ……わ、結構おじさんやな…人生の最後の1台ってやつやろか…ええな…」

「あ、敢えて離れたとこに……いや、もう1台おる、前期型、おそろや」

「ほんまや…ツレか?たまたまか……自分と同じ車見つけたら隣停めてまうなぁ、」

まるでモーターショーか博覧会、車崎はミニカーのジオラマセットを覗く子供のように生き生きと目を輝かせる。

「お、欧州限定車や、シューカ、」「シューカ見て、新しいやつ、電気でどんだけ実走いけんねやろ」「ええなぁ、あ、あれ…段差あるで、行けんの、…あーほら、擦ったで、あない下げはるから…割れたんと違うか?可哀想に…」はしゃぐ先輩を横目に、秋花は適度に相槌を打ってコーヒーを飲み干した。

「飲んだ?よーし…俺、もっかいトイレしてくるわ。コレソーダ持っといて」

「はーい」

まだ緊張しているのか、もしかして並々ならない覚悟を持って臨んでいるのか?秋花はそんな想像を巡らせる。

 例えば夕食後に解散するとは言ったけどその後…家まで送ってもらってお礼に部屋に上げて休憩して。

 そこで…何かあるかもしれないか、考えすぎか、トイレから走って戻って来る車崎を見て、彼女はそこで考えるのを止めた。
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