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2日目
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しおりを挟む「ありがとうございましたー!」
自動ドアを出るとちょうど目の前の信号は青から赤になったところで、
「さっきの話やけど…お前、俺がチョロチョロしてるだけで仕事疎かにすんの?そない半端な気持ちで仕事してんやったっけ?」
と車崎が立ち止まって冷ややかな眼差しで見下ろす。
秋花は唇をぴくんと震わせて
「ち、ちゃいますよ、でも気になってんもん、」
と動き出す車の音に邪魔されながらも素直な気持ちを吐き出した。
「仕事中に個人的な話はしてへんつもりやぞ?今のこれは抜きにしてな、これしきで手元が狂うような整備士やったか…残念やな」
「ちゃいますって!ま…真面目にやってますわ…」
「うん、まぁ冗談やけど……マジで支障が出るなら俺は身を引くわ。お前、サラッとできる感じか思うたけど、案外女子やねんな」
「!」
もしかして真剣な交際ではなくだらしない体だけの関係を求められているのか。
秋花は車崎に向き直り、しばし「むぐぐ」と考え込んでから反論した。
「…なんすかそれ……シンタローさん、私に何を期待してたんすか?つ、都合良く付き合える仲みたいなことやったらお断」
「青やで…言葉が足りひんかった、悪かった」
信号が青になったのをきっかけに車崎は食い気味に言葉を被せ、スタスタと横断歩道を渡って職場敷地内へと戻って行く。
「???」
秋花は買い物袋を提げて彼を追いかけ、人が来ない屋上へとついて上がった。
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