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5日目
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しおりを挟む「いらっしゃいませ、この前はどうも」
「あ、ごめんね、お姉さん…ビックリしたでしょ、もうアイツ別れたから。車もちゃんと乗るから…お願いします」
本日のメイン作業は先日の車検のハンダ様で、規定値ギリではあるが彼氏が勝手に改造したという軽自動車の数ヶ所の直しである。
書類にサインをする彼女はどこかスッキリと、晴れ晴れした表情をしていた。
「はい、したら2時間くらい…もっと早いかな、終わったら連絡します。ここで待たれても大丈夫ですし、外に出られてもいいですよ。代車は要らないって事でしたけど…」
「うん、そこのショッピングモールでウロウロしてる。お願いしまーす」
ハンダは鍵を秋花へ預け、手を振って外へ出て行く。
「…可愛い子やん、車はイカついけど」
帽子のつばを後ろに回した車崎が、見送る秋花の後ろから声を掛けた。
「シンタローさん…それを直すんですよ。あの感じやと殴られたりもしてへんかな…ちゃんと…乗ってもらいましょ」
「うん、おーし…この件全部済んだら昼、一緒に食おうな、」
「はい!」
秋花は頼れる先輩へここ一番の笑顔を投げて、先に作業場へと出る。
「あー、擦ってるね、可哀想に」
「んー…とりあえず今回は高さっすね、作業代は手切れ金替わりにぶんどったらしいですわ」
「はぁ、まぁその元カレがいじったんやもんな、当然か」
二人は汗を流しながら話しながら、とはいえうるさい工場なので接近した時だけ、適度に会話をしては意思疎通する。
車崎は自分の技術や知識を授けるように秋花を補助しては指導し、時折「ここはどうする?」などと質問しては答えさせて彼女を試した。
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