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4日目
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しおりを挟む「ご当地バーガー、あれ食うて、コアラ見よ」
「コアラ、」
「おるねんて、行ったことない?」
「ありますけど、渦潮しか憶えてへん」
「あー、時間に余裕あったら見たいなぁ、」
車内音楽は車崎の好みの洋楽、秋花はなんとなく知っているサビだけ口遊んでみた。
ご陽気な車崎は曲の頭から鼻歌や英語の歌詞を口遊むも、高速にのってからはめっきり大人しく、会話と運転に集中している。
「シンタローさん、」
「うん?」
「私の…どこが好きなんすか?」
「え、せやな……今やないとあかんか?」
てっきり即答できるものだと思ったので尋ねてはみたがそうでもないらしい。
考えさせて手元が狂うと危ないので、
「いや、すんません。言わなくていいです」
と秋花は質問を取り下げた。
「即答は…んー…あ、SA寄ろ」
「あと2km」の看板が出ると車崎は少し肩の力を抜き、静かになってしまう。
「(まずいこと聞いたかな)」
『彼氏の浮気を追求するなら運転中』、秋花は真剣な車崎の横顔を眺めながらそんなトピックを思い出した。
ひとつの事に集中していると脳の考える部分の働きが疎かになり、嘘がつけなかったり誤魔化すのが下手になるそうだ。
それを試したと思われたかもしれない、ゆるゆると速度を落として分岐へ入るワゴンの中で、秋花は降りてからの説教も覚悟する。
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