大好きな奴と、一緒に笑っていたいんだ…わんこ男子はイジられ上手

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　俺たちが陰ながら交際を始めて、１週間ほど経った頃。

　午前は休講なので自宅で遅起きしてまったり過ごしていると、玄関チャイムが鳴った。

「はーい…お、時也」

「お邪魔します…ねぇ聞いて、大変なことになってる」

飛び込んで来た時也は、開口一番に不穏なことを口走る。

「なに、何の、何？」

「元カノの、春妃さんの、こと！」

「お前をＭ奴隷に育てて同じくＭ女に掘らせようとしてたクソ女のこと？」

「もう否定はしないけど…その春妃さんのこと」

　あのクソ女は社会人で、今でも数人を飼ってよろしくしているのだろう。

　奴の所業に問題はありありだと思うのだが、お抱えのＭたちは望んで集まっているのだから罰したりは出来ないはずだ。

　結婚している訳でもないから不貞とも言えず、各人の責任において勝手にしなという感じだと思うのだが…何が起こったのだろう。


「うん？」

「僕が抜けた後も相変わらずだったらしいんだけど、いわゆるローソクプレイって言うのかな、あちあちを我慢するような、を、やってて、引火しちゃったらしいんだ、春妃さんの髪に」

「…そりゃ…熱そうだな…」

　慣れているにしてもその危険性はゼロでは無いだろう、使い方が悪かったのだろうか。

　プレイ相手が熱さに驚き体が跳ねた拍子に当たって手元が狂った、とかの可能性もあるか。

「言ったこと無かったけど、春妃さんってロリータ趣味で、私服は地雷系ファッションみたいな格好してるんだよ。厚めの前髪でハーフツインで、ヘアスプレーでガチガチに固めてるの」

「あ、まさかそれで…」

「可燃性が高かったみたい。あっという間に燃えて…ヤケドこそしなかったけど、まだらなベリーショートになっちゃったんだって」

　時也は良いように言うが、実際には虎刈りかつチリチリヘアになっているのではなかろうか。

　生き残った部分も切らねばならず、見た目を気にする年頃の女には大打撃だろう。

「へぇ…死なずに済んだんだからマシだな。まぁ…社会人には厳しいだろうな」

「そうだね。これから冬になるし、休みの日は帽子とかで誤魔化せそうだけど…」

「ところで、そのニュースは誰から聞いたんだ？」

「元サークルの子から。なんか、春妃さんってサークル内でプレイメイト作ってたみたいで…現場に居合わせた子から、割と詳細に聞けちゃった」

「なるほど」

　クソ女がどこまで肉体関係を持っていたかは分からないが、サークル内に穴兄弟を量産していたようだ。

　いや竿姉妹か、もとい竿兄弟か…もうどうでも良いか。