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しおりを挟む「うん、春妃さんのことは好きだったけど、デートより性的なことが増えて来て、ドキドキよりも不信感の方が大きくなって来て…別に、僕じゃなくても良いのかも、って…それで、僕がアナルセックス経験者ってバレて、えらく叱られたよぉ…罵倒されて、そこで…何も感じなくて。虐げられても興奮どころか、イラついちゃって」
「へぇ、」
「つい、反抗しちゃって…僕、身を乗り出すだけでも威圧感あるじゃない?背が高い方だし…ビクついた春妃さん見て、サーっと現実が見えちゃったというか。どうしてこんな人の言うこと聞いてたんだろうって…惚れた弱みに付け込まれ過ぎちゃったよね、僕…あの人の計画というか、プランみたいなの聞いて、嫌悪感も凄くて。自分の意思に反して体を勝手されることへの恐怖とか…」
「悪かったって」
先に好き勝手したのは俺だ、謝罪ならいくらしてもし足りない。
広瀬に借りを作ったのは初めてかもしれないな、この件に関しては俺はペコペコ頭を下げるしか出来ない。
けれど広瀬は「違うよ」と続ける。
「純希とシた時、そりゃ痛かったし恐かったけど、虫唾が走るみたいな嫌悪感は無かったんだ。元々が信頼してたし。だからさ、よく知らない人に掘られる予定だったって聞いて、本当に気持ち悪くて…それで、逆に純希とは割と平気だったなって…思って…」
「また、掘られに来たの?」
「違う、僕は、そこまで気に病まないで欲しいって、言いたかったんだ。僕は気にしてない、だから純希にも気にしないで欲しい。せめて、友達には戻りたいんだよ。この夏休み、みんなで…純希も含めたみんなで、遊びたかった」
「気には…するよ」
忘れられないし、あれを超える興奮度のセックスがこの先あるかどうか分からない。
脱・童貞したから未来は明るいが、広瀬以外の男で同じ気持ちになったことが無いからこの先は枯れるだけかもしれない。
「あの、悩まないで、ってこと」
「んー…有り難い話だけど…俺さ、分類ではゲイだけど、広瀬以外の男で勃ったことねぇのよ。だから俺は広瀬っていう人間が好き、って自覚してんだけど…また襲っちまうかもよ?」
「二人きりにならなければ大丈夫なんじゃない?他の奴らも気まずい思いさせてるしさ、和解したっていう体でさ」
「今、二人きりなんだが」
据わった目で見下ろせば、広瀬は「だから?」みたいな顔で俺を見上げる。
体格では不利なんだよな、そう何度も組み敷かれてはくれないか。
俺は息をついて、やっと定位置に腰を下ろした。
「ねぇ、純希はさ、僕のどんなところが好きなわけ?」
「調子乗んな、ばーか」
「あっそう…ねぇ、夏休み終わっちゃうし、どこか行く?」
「んー…みんなに声掛けてみるか」
「そうしよ」
俺たちは仲間に『仲直りしたので変わらぬご愛顧のほど』なんてメッセージを送り、プチ旅行の計画を立てた。
周りは「あ、そうなんだ」という反応で、でも何人かは『本当に大丈夫か?』と個別で心配メッセージをくれる奴もいた。
「(みんな良いやつなんだよ。でも、中でも広瀬は特別なんだ)」
この日はそれで解散、メッセージ上で出掛ける算段を付けては楽しみにその日を待った。
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