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「純希、やだ、痛いのは、」

「こんなん挿れてるんだから、拡がってんじゃないの?ものは経験だろ」

「そんな経験、要らないよ…怖い、純希、何でこんなことするの」

「エロい雰囲気に酔ったから、前々から広瀬のことこうしてやりたいと思ってたから、クソ女の仕業に腹立ったから、色々だよ」

「クソって、やめて、純希、ゲイだったの?ごめん、不用意にこんなことして、ぼ、僕はそういうの分かんない、」


 非同意だ、それは最初から分かってる。

 でも心から危機感は抱いてないんじゃないか、だってお前は力任せに逃げない。

 勢いつけて尻で俺を押せば、俺は怯み隙が出来るだろうに。

 身に迫る危機もジクジクとマゾ心を刺激しているんじゃないのか、困惑に快感を得ているんじゃないのか。

 拘束される不自由を、悦んでいるんじゃないのか。


 段々と日が落ちていき、カーテンからオレンジが透ける。

 フィルム映画みたいな柔らかな絵面、でも張り詰めた緊迫感が俺の後押しをする。

「どっちでも良いよ、俺もここまでして退けないし」

「え、純希…あ、やだ、」

 アナルプラグを抜くと、潤滑剤がぬちゅっと糸を引いた。

 たっぷり注入していたのだろう、これならそのままいけそうだと安心する。

 シミュレーションは重ねてる。

 まさかこんな機会が訪れるなんて思ってもみなかったが…想像と寸分違わぬ尻がここにある。

 オナニーだってこの角度でしていた、あくまでセックスを模した体位で動いていた。

 本当は正常位でしたかったさ、でも大人しく体を開いてくれる状況は考えられなかったから、俺が襲うシチュエーションしか妄想できなかった。


 ご苦労さま、とプラグを床に落としたら、広瀬はまたビクッと慄く。

「…広瀬のこと、好きだよ」

「それは有り難いけど、でも、こんなのダメだよ」

「お前、本気で逃げないし…俺の童貞、お前にやるよ」

「アッ」

 ピタと割れ目に当てても、広瀬はじっとして動かない。

 震えてはいるが、もう受け入れ態勢に入っているのだ。
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