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「お疲れさま」

「お疲れさま…ありがとう、運転代わろうか?」

駐車場で待っていた薫は、助手席のドアを開けたものの聡太の身を案じて尋ねた。


「あー…道分かんないからそうしてもらおうかな。晩ごはんは何にしよう」

「簡単な物で良ければ私が作るけど」


 運転席と助手席を交換したら聡太はひと息ついて、

「うん…久しぶりに、薫ちゃんのご飯食べたいや」

と真面目なトーンでシートベルトをはめる。

「……出すね」

薫は神妙に、喜びきれない複雑な面持ちで車を出した。



つづく
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