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しおりを挟むそして夕方、薫の両親が仕事から帰宅して聡太は改めて挨拶した。
我が娘の突飛な計画を両親は詫びて、しかしこうして顔を見せてくれた聡太へ最大のもてなしをしてくれた。
「呑んでちょうだい、聡太さん」
「はい、いただきます」
「薫はどう?ごめんなさいね、ツンケンしとるやろ、可愛げが無いったら」
「そんなことないですよ…隠すのが上手なだけで、愛情深い女性です。料理も上手だし真面目だし…」
クールだがキュートな一面も知っている、尽くすタイプで奥ゆかしいところがあるのも知っている。
酔った聡太はまるでずっと前から両想いだったみたいに薫を褒め称える。
「薫はね、聡太さんが優しいって。見知らん私たちの病状を気にしたり、物言いも丁寧で、そういうとこが好きや言うとったよ」
「そうなんですか」
「最初に電話して来た時にね、そない言うてた。私があの時に無理矢理にでも止めとったら、こんなことにはならんかったのにね、ごめんなさいね」
「いえいえ、薫さんの計画があったから僕は薫さんの良いところに気付けましたし…結果オーライ、なんじゃないですか」
それから隣に住む兄夫婦や弟も呼んで平日だというのに飲めや歌えやの大宴会、田舎でタクシーも捕まりにくいだろうと母は娘を呼び出して聡太を回収させた。
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