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衷心—ちゅうしん—
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しおりを挟む「はい、勇ちゃん」
「おかあ、さん」
「はい、いい子ね」
「お母さん、」
ぐずぐずと鼻を鳴らした先生は、勢い良く私に覆い被さった。
少年の頃には出来なかったことを、私にご母堂を重ねて再現しようとしている。
胸を荒々しく揉んで、叩いて、しかし見つめれば怯む。
それでも「なにくそ」と果敢に私の各所を責め立てた。
「痛いわ」
「……」
「乱暴はダメよ」
「……」
震える手で先生は私を丸裸にして、自身も丸腰でなにやら下腹部の確認をする。
とうとう母親に見立てた私を抱こうとされているのだ。
先生の自信を折らぬよう慎重にリードせねばならない。
「勇ちゃん?できるの?」
「できる、興奮してる」
「手伝いましょうか?」
「いい、できる」
上手に抱かれよう、先生のプライドを守ってあげよう。
気持ち良さげに喘いで見せますとも、私はどうしてか先生のセックスの腕を信じていなかった。
経験があるとはいえ回数は少なかっただろうし、私に手を出すまで時間もかかっていたから舐めていたのだ。
「勇ちゃ…」
「お母さん、い、挿れるよ」
「えぇ、あ、」
確かに興奮時の先生のモノはご立派だったけれど、私はそれと同型かもっと大きな張り型で訓練していたから問題ないと踏んでいた。
しかし人生で始めて、生きた男根を中に迎え入れて…その温かさとはち切れんばかりの肉感に心臓が跳び上がる。
「ひあッ?あ、あ、先生、じゃない、いさむ、ちゃ…」
「お母さん、ん、あ、あったかいねッ」
「はッ…あ、ふア?」
「お母さんッ…ふははッ!はッ」
道具での練習はこなしてきたけれど、実践は新たな気付きがあるものだ。
肌に触れる異性の皮膚、シワがあって弛みがあって毛が生えていて。
それが汗で密着しては離れて、ペッタンペッタンと餅つきみたいな音が鳴る。
先生の顔は逆光で見え辛く、しかしなんとなく余裕の無さげな笑みだろうことが分かる。
腰を掴む手の力強さ、引き寄せる力強さにも驚いた。
「(やっば、意識飛びそう)」
私は、アラフィフ男性のパワーを見誤っていたのだ。
父親くらいの年齢だからといっても、まだまだ老人には程遠い。
50前なんて俳優でも若々しくて壮健な人がざらにいる。
このくらいの歳で子供を作る人もいると聞くし、スタミナが長く保たないとしても筋力は私より上だ。
普段の仕事やお勤めでそれは分かっていただろうに、のほほんとした先生はワイルドなセックスなど縁遠いとタカを括っていた。
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