そういうギャップ、私はむしろ萌えますね。

茜琉ぴーたん

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4月(最終章)

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 夕方。

 本店での早番業務を終えた和田は各種引き継ぎを済ませてから入り口近くのカフェへと向かう。

 今夜はここで愛花の終業を待って夕食へ行く予定なのである。

「ホットひとつ」

「はい、ちょうどお預かりします…席までお持ちしますので、掛けてお待ち下さい」

「うん」

和田は120円をトレイへ置いてレシートを受け取って、隅の席へ掛けてコーヒーの出来上がりを待つ。

 そしてコーヒーを運んできた愛花が

「お待たせしましたー、これ私物なんですけどどうぞ」

と小さなチョコレートもこっそり差し出せば、

「ん、ありがとう」

と笑って受け取った。

 ここで難しい顔をしてテキストを読んでいたのが懐かしい、知り合いはいるものの馴染めず心細かったのを救ってくれたのは愛花だった。

 和田もこっそり彼女の手を握り、ふにふにと揉んでついニヤつく。

「…なにしてるんですか」

「ん、触れ合い…仕事中の吹竹ふきたけさんに会えるんは最後やから」

「そう、ですね…そういえば、北店では店次長ですからスーツじゃなくてベストですね、新鮮でいいですね」

店では販売担当はワイシャツに黒のベスト、スラックスは自由だが大体みな黒色の物を選んでいる。

「せやね…ん、ごめん戻って」

「はい、いらっしゃいませー」

カウンターに次の客が来たので愛花は慌てて仕事に戻って行く。

 跳ねるボブヘアーを眺めては和田はふつふつと情欲が湧き上がった。

「(…アカンなぁ…シたいなぁ…)」

今夜は夕食後にスーパー銭湯でまったりして、アパートに帰ってから彼女を抱く予定である。

 予定をすっ飛ばしてホテルに行ったら彼女は怒るだろうか。

 そんなことを考えながら和田はニヤニヤと、カウンターの中の愛花を視姦しかんの如く見つめていた。
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