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3月
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しおりを挟む前戯にかけたのは風呂を含めて約40分、口淫では昇天までできなかったが和田は明らかにこれまでと違う手応えを感じていた。
口を離して見下ろした愛花は運動したわけでもないのに肩で息をして身体中が紅潮して、目はとろんと口はむずむずと微動してすっかり出来上がっているのだ。
「ふー…アイカちゃん、挿れる、よ、」
「はい……ぁ、あ♡」
「あ、柔らかいッ…あ、あー…気持ちい…」
スキンとの摩擦など感じないほどに滑らかでウエットな挿入感、そして舐めて解したソコはぴくぴくと疼いて和田を包み込む。
そこかしこキスをされた身体が和田を欲して触れたがって、愛花から手を伸ばして覆い被さるように彼の腕を引っ張った。
むにゅうと胸同士が密着して汗が混じり合って、愛花が大きな目でじぃと見つめると和田は少し怯えて、
「キス、やろか?」
と答えを待たず口付ける。
「ん♡あたり、はぁ♡豊さん、あ、すご、い♡」
「演技、ちゃうやろなッ」
「違います、よ…あの、私ね、今まで、こんな…ここまでしてもらったこと、ないんです、」
「ん?なにを?」
「あいぶ、って言うんですか、こんなに、こう…大切に、されたことない、んです、あの、私、セクシーなタイプじゃないし、胸も性感帯、も、そんなに、時間をかけてもらったこと、なくて、性格も、あるのかな、こんなキャラだから、お友達みたいなエッチ、だから、こんな…お姫様みたいに、シてもらって、嬉し恥ずかしいです」
「うん、色んなところ弄り回そうな、俺の禊や」
「ん、じゃあ、いろいろ、動いてみましょうか、」
「…それやねんけどな、俺も考えてん、」
和田はそう言うと脚を組み替えてとろとろの愛花の腰を抱き、
「首に掴まって、乗ってくれ」
と体を回して彼女を騎乗させた。
「え、ダメでしょう、襲われたくないって」
「しやけどこれが一番手っ取り早いねん、アイカちゃん…この際やからもっと乱れてくれ、俺を馬や思うて好きに動いてくれ、」
「え、マジ騎乗」
「あれ違うこれ違う言われても傷つくし分かれへん。どこがええのか、体で…ちんちんで覚えるから、教えて、な、」
「んー…では…」
愛花は大きな身体の上でぴょこぴょこ跳ね始めると、その小さな胸の突起も茶髪の毛先も合わせて踊りだす。
「おー…なんや…ええな、あ♡アイカちゃん、可愛い♡」
「なにがッですか、ぁ、」
「探り探り、なんが、新鮮で、あ、襲われてる、感じ、せぇへん、」
「恥ずかしい、ですよ…あふ♡ん…」
グラついた拍子にナカのモノが妙な凸凹を感じて双方に快感を与え、
「おほ…あ、これ好きなんか、ぁ、手ぇ繋ご、」
愛花がきゅうと狭くなったので和田はその角度を逃すまいと彼女の両手を捕まえた。
「ん、ここ、んッ♡このへん、が、Gスポットと呼ばれる、ところ、」
「ん、ん?んー、あ、なんや感触が、あ、あ♡うわ、ア♡」
「覚え、られます?」
「覚えられへん♡もっと、扱いて、」
「もぉ、豊さんッ、お顔が、だらしなくて、エッチ♡」
見下ろして笑う愛花の顔とて慈愛に満ちていていやらしくて…和田はついつい伸びていた鼻の下をくしゃっと縮める。
「え、そう?やらしい?」
「やらしくて、セクシー、」
「恥ずいて」
「過去のお姉さま方も、こういう、豊さんの姿で興奮してらしたと、思います、よ、」
「数回、は、なぁッ……あ、あ、」
組み合った指がびくんと震えて揃えた脚がピンと張って、そろそろイきそうなのだと察した愛花は動きをやめてぐりぐりと骨盤の上で円を描いた。
「出したい、ですか?」
「あ、あ♡…出し、たい、」
「私を、満足、させました?」
「…そら分かれへん、自信無い、ん、あ♡」
「なら下から、自分で突いて、イって下さい」
「そんなん、前と変わらんやん、またオナホみたいやとか言われたないよ、」
悶えながら恍惚に侵食されながら、和田は宣言外にイってなるものかと身体の感覚を精神で制御しようと試みる。
どうせならこの話が終わるまでは保たせたい、愛花から見えない足の爪先でもう片方の足の甲を擦ってはギンと彼女の顔を睨んだ。
「あれは言い過ぎました、でも私を鳴かせるつもりで、動いてみて下さい」
「………鳴かす」
「鳴かす、搾り取られるの嫌でしょう?自分からイきましょうよ」
そう言って愛花が繋いだ手を離すとその手で細い腰を掴み、
「…こう?」
ずんと突き上げたら彼女の小さな瞳孔と両乳首が同じ動きで上方向に跳ぶ。
どこを責めればなどまだ不明瞭だがより深い所を和田は攻め、
「んッ♡ん、じょうずッ、ですよ、あ♡」
と言葉と締め付けで返りがくれば歯を食いしばり口の端をクイと上げた。
「褒められると…ちゃうな、ん、ん、」
「あ♡私、喋るオナホ、ですよ、」
「自分を、卑下すンな、あーもう、さっきまでしっとりしてたのにッ、あ、あー、あ、アイカちゃん、気付いてるか?」
「なん、ですッ?」
「アイカちゃん、さっき、俺のちんちんでオナニーしてんで」
「えッ、あ、」
なるほど確かに騎乗位で自分本意な動きをした。
愛花は特大のブーメランが刺さってどうにも情けなく、客観的に自分の動きを想像して居た堪れなくなる。
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