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12・支配、して下さい
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しおりを挟む俺は今日の昼、売り場のテレビでとある男の訃報が読み上げられるのを耳にした。
ソイツは地元で一番大きな病院を経営する医者で、長年にわたり地域の名士として崇められていたヨボヨボの爺さんだ。
もう引退してしばらく経つソイツの名を俺が意識に留めていたのはあの日、亡き聖氏の書斎で開いた水蓮の育成記録ファイルの1ページ目に『契約者』として記載があったためだ。
その当時でも還暦前だったろう医者先生に、水蓮は充てがわれる予定で育成されていたのだ。
『要望』たる項目には『従順だが率先して動ける、しかし恥じらい慎みを持った女に』と書いてあった。
今の水蓮が身に付けた技というのはつまり医者先生のためのテクニックだった訳だ。
適度に恥ずかしがり求められずとも老いたモノを可愛がり自分から跨って見せる、率先して動き男が果てるまで達してはならず。
仮契約を破棄し結果的に体が動きにくくなった聖氏本人がそれで楽しめた訳だからブリーダーとしての彼女の手腕たるや、と褒めるべきなのか。
予定通りであれば、水蓮は医療系の仕事に就かされていたのかもしれない。
ちなみに水蓮がコンドームの着け方を教わらなかったのは医者先生が既に子作り能力を失って、あるいは不能だったから必要無かったのかな、なんてのが俺の見解だ。
機能を失ったイチモツを抵抗無く可愛がってくれる女が欲しかった訳だ。
もしかすると予定通りそこに引き渡されていたら聖氏と同じように玩具で夜な夜な遊ぶことになったのかもしれない。
今の水蓮は正常位をスタンダードなセックスとして俺を受け入れてくれる、俺に見下ろされる時が何よりの快感らしい。
俺好みの動き方も教えた、たっぷり可愛がってたまに上位にさせたりでも主導権は握らせず…俺は俺で彼女を育成してしまったんだな、でもこれがカップルのあるべき姿というか当たり前の様式だ。
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