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6・俺の、水蓮
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しおりを挟む「拓朗さん、アイス溶けてしまいます」
「じゃあもっかい冷凍しとこう、風呂上がりに食べたい。そういや…今日はホテルじゃなくて良かったのか?」
「ええ、世のラブホテルという物がどんな所か分かりましたので。…行ったこと無かったので、お泊りしてみたかったんです。いきなり拓朗さんのお宅にお邪魔するのも不躾かと思いましたし」
「そう…じゃあ社会見学は済んだわけだ……水蓮…イチャイチャしたい」
「あ、では…ピアス、お着けになりますか?」
「あー」
盛り上がっていた気分が乳首のシルエットに邪魔される、俺はソファーに置いていた手提げから巾着を取り出してアイスを仕舞った彼女へ渡した。
「ありがとうございます」
「一緒に選んだからサプライズも無いけどね」
「いいえ、充分に嬉しいですわ…どうしましょう、今着けてみてもよろしいですか?」
「そりゃあ好きにどうぞ…うん」
そう言うと彼女はその場でワイシャツを脱ごうとするので、俺は慌てて目線を逸らす。
「……水蓮、大胆だな」
「すみません…拓朗さまももう慣れてしまわれたかと」
「慣れないよ、ピアスもおっぱいも……勿体ぶってくれよ」
「それは失礼しました…座りますね」
ソファーに掛けて少しずつ露わになる白い肌、そりゃあ一緒に風呂も入ったしそれだけでギンギンになるほど不慣れではない。
けれど丸いブラジャーから丸い塊がボロンと飛び出すのは緊張感が走るのだ。
現に本日のピアスはアプリで見たような南京錠の形をしており、乳頭の中を緩いとは言えカーブ状に金属がハマっているなんて見ただけで痛々しかった。
「…どんな心境で」
「何となくですわ…外して下さいますか?」
「え、えー…また?分かんないよ」
「見た目はこんなですが蹄鉄のと原理は同じですの。バーベルにぶら下がっているだけ…このネジを、こう」
いい大人がぶるぶる震えて米粒みたいな球を摘む、くるくる回して外したらローテーブルの上に置く。
「あん」
左手に意識をやればピアスの針を支える右手がお留守になりくんと引っ張ってしまった。
咄嗟に謝るも、彼女の顔はじわじわ紅潮してきて痛がっているようには見えなかった。
「…引っ張ったりするプレイは…してないよな?アプリで調べた時に…重りとかあるの見たんだ、引っ掛けるやつ…マジで気が知れない」
「男性でも開ける方はいらっしゃいますよ?」
そう言い細い指先で俺のワイシャツの胸をちょんと突く、ピンポイントで突先の在処を当てられた俺は「わぁ」と情けない声でまた右手が揺れてしまう。
「っア♡」
「ごめん、ごめん…抜くから…千切れたりしないか?……あ、抜けた…こわ…」
「拓朗さまも着けて下さればお揃いですよ、チェーンで繋いだりできます」
「………萎えるわー…」
「残念ですわ」
一気に取ってしまいたいが手間取ることが予想されるし、そうなると彼女はまた呼吸困難になってしまう。
右の乳房だけピアスを外して新しいものを開封する。
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