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2月・嫁が可愛いので激務も乗り越えられる
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しおりを挟むそして翌週、金曜日。
「ミラちゃん、久々や…気持ちええ…」
「うン…ん…はぁ…♡」
息子におやすみをしてから守谷夫妻は早々と寝室に籠り、セックスに勤しみ始めていた。
「子作りに…こだわり過ぎんのが良うないな、嫁とのエッチを愉しむべきやな、うん♡」
「ん…あ、あ…ハルくん…あ、気持ちい…」
「ん、ゆっくりシよ…ミラちゃん…可愛いよ、思うた事はちゃんと言うてな、オレが恐い顔しとったら言うて、オカンに告げ口してもええ、言うて、正してくれ、な、」
部屋の照明は落とさずに明々としたまま、守谷はしっかりと顔を見せ名を呼び、慈しみながら妻を抱く。
「ふ…ぁいッ……あ♡は…」
「大体やな、週1の、エッチで、的中、させる方が…難しいやろ、排卵日に、バチコン行かんと…」
「たし、かにッ」
「ミラちゃん、愛してるッ♡今更、他の女は、目に入らへん、」
「AVは?」
「リアルの、や!ああ言えばこう言う奴やな、ホンマに!ええわ、可愛がったる…足腰立たんようにしたるからな、」
「ひぇッ」
なんと楽しい遊戯だろう。
心も体も許し合える、遠縁ではあるが肉親でもないのに偶然出会った二人の間にそんな信頼関係が芽生えるなんて…夫妻は奇跡に感謝して蕩けるように交わっていく。
「あー…ミライ、ミライ♡もう家出なんかすんなよ、」
「せぇへんッ…ハ…あ♡ふアっ」
「愛してんで、ミラ、オレの…可愛い嫁さんや、今日は子作りは関係あれへんけど…たっぷり出したる、来週は本番やで、それまで収めときや!ん、ん♡」
「溜めておけるわけないやん」、虚な頭で思うだけで口からは吐息しか出ず、スパートをかけた夫の揺れを吸収して未来は少しずつ頭側へ体が滑っていった。
「ん、ん、はは」
突けば逃げる体をガッチリと押さえ、最後は唇もしっかりと未来のそれへ密着し、苦悶にも似た声を鼻から抜いて守谷は果てる。
「ん、ん…ん‼︎………………ん♡♡あーー……ぷは…あ…あー…ミラちゃん…大丈夫か?」
「うん…ふ…」
「すまん、押さえるん恐かったか?」
「平気や…ハルくんなら…何されてもええ…」
少しは胸が騒ついたがそれはきっと夫の荒々しさにときめいたから、思い起こせばこれまで二人の情事に父親の影など差し込んだことすら無かった。
「嫌やったら言えよ、ほんまに…オレ、ミラのことメタクタにしたい思うたりすんねん…は…女っぷりがどんどん上がってるやろ、おっぱいとかそういうことちゃうねん…可愛いし…キレイや…」
「なに…照れる…」
「色んな服も着せてみたいよ、せや…来年、結婚10周年やんか、ウエディングドレス着てさ、写真撮ろ!でかい式はせぇへんかったから、その分10年ごとに撮ろや!」
「嫌や…」
式をしなかったのは未来が未成年だったことと呼ぶ親族がいなかったこと、そして彼女本人が「ドレスは着ない」と言ったからである。
そのため守谷母に振り袖を借りて、紋付袴の守谷と並んでのフォトウェディングと小規模な食事会で済ませたのだ。
「なんで、可愛いのに…20代のうちに撮っとこ、な、」
「サイズ…あれへんもん……ドレス…」
未来は口を尖らせ、しょんぼりと呟いた。
「なんで、太ってるわけちゃうのに。紐とかで縛って詰めたり…………あ、胸かぁ、ふはは…さよか、あー、そうかそうか、それで嫌やってんな、ひゃはは」
「むかつく」
こういうデリカシーの無いところは時たま本気で嫌になる、未来は笑う夫を睨んで唇を噛む。
「ひゃは…いや、悪い悪い……サイズ…それこそ、詰めもんとかして上手いことしてくれるやろ」
「うち、パッドで盛るの嫌いやねん。不格好や」
「正直もんやなぁ…んー…胸が見えへんドレスもあるやろ、来年な、写真は撮る、絶対や…あ、もしかしたらマタニティフォトになるかもしれんで?それもええな、な♡」
来年の用事をサクッと決めて、守谷はまだ難しい顔をしている未来へキスをしてご機嫌をとった。
その翌週も同様に夫妻は深く深く愛し合い…3週間後に未来は何度目かのドキドキを味わうことになる。
その時の検査薬にはしっかりと陽性の印が浮かび、叫び出したい衝動を必死に抑え、彼女はひっそりと涙を流すのだった。
つづく
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