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2月・嫁が可愛いので激務も乗り越えられる
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しおりを挟む「ほんまに…帰ってけぇへんな…」
その日、未来の夫・守谷は時計の針が夜の12時を回っても帰宅しなかった。
近隣店舗の管理職で集まって引き継ぎをするのは仕方がない。
しかし最近そのメンバーに気になる者がいるので未来はモヤモヤとしている。
『少し遅くなる』
と連絡が来たのは夕飯を作った後だった。
それより2時間後に追って入ったメッセージは
『食べて帰るから先に寝てて』
であった。
仕事終わりにファミレスで打ち合わせなどすることはよくあるが、ここまで遅いのは初めてで…妻の立場からすると妙に勘繰ってしまう。
・
「ふー…もうミラちゃん寝てるか…」
結局、夫が車を駐車場に着けたのは夜中の2時だった。
忙しい週末を前に少しでも睡眠時間を取るべきであろうに、家に入った男は爛々とした眼で食卓の上の自身に用意された夕飯を見下ろす。
夕食は不要だと伝えたのに準備がしてあるのは勘違いか当て付けか。
妻に対して済まないと思うのと同時に、僅かに苛立ちを覚えた守谷はそれらを冷蔵庫へ収めて「いけない、いけない、」と自身の頬を叩いた。
守谷はその後、音が響くので風呂も入らず、着替えだけして寝室へ入って眠りにつく。
ドアの音やベッドの軋みで夫の帰宅に気付いた未来は寝息が聞こえ出してから時計を確認し、午前様の事実を知ってがっかりした。
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