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10月・嫁が可愛いので今夜は寝ない
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しおりを挟む伏せった夫の肩をポンと叩き事後のピロートーク、もう全部終わったと思い未来は気楽に話し出す。
「今日聞いてんけど、嘉島チーフ、若いお嫁さん候補が居ってんらしいよ」
「はぁ?あの人、もう50近いやろ。はぁ、ええ出会いがあるもんやなぁ」
「ね、嬉しいわ」
「ふーん…元気やな…なら、オレもそれくらいまでできるな、ミラ。あと10年くらいは大丈夫やで」
「んー、パパがシたいなら、付き合うわ」
未来は守谷の呼び方が「ハルくん」「パパ」と安定しない。
「なんや、冷たい…オレ、ミラにしか興奮せえへんのに」
「ほんまに?浮気してへん?」
「あほ、こない可愛い嫁が居んのに、他の女は目に入らへん…」
「…ギャルもののAV観てんの、知ってるで」
「ぶっ!………奥さん、それは知ってても言わんのがマナーやで…あと、ギャルやのうて、素人モノな…」
未来は汚物を見るような目で守谷を睨む。
待たせた負い目はあるものの、性産業に彼女は不寛容というか理解が少ないのだ。
「ちゃうねん、嫁系がええねんけど、大概不倫とか寝取られやねん。義父と…なんか誰が観たいねんな。かわいい嫁とイチャイチャする、そんなんでええねん。地雷踏みたないから、自然な素人モノや。言わすな!」
「きっしょ、」
「なんやと、コラ、」
守谷は襲いかかり、ひとつ、ふたつ、みっつと首筋にキスマークを残した。
「ちょっと、ワイシャツの外はやめてよ…」
「しらん、マーキングや。バイトの学生とか、隙見せたらあかんで」
「いや、フロア長の嫁に手ぇ出す男、居れへんよ…」
「まぁせやな」
ちゅうちゅうとキスマークの花を咲かせ、守谷はよしよしと口を離し、
「あー、ミラ、ラスト1回やな、ちょっと触って」
と未来の手を取って自身のモノを握らせた。
「うわぁ、」
「ん、そのまま、触ってて、ミラ♡あー、きもちい、嫁の手♡」
「……」
主人がうっとりして色っぽいのに、手元のべたべたする感触が不快で未来はあまり興奮しない。
相手がいてそれが夫で、愛や慈しみが介在されないと未来にとってソレは汚らしい棒に過ぎない。
過去の嫌な思い出とのギリギリのせめぎ合い、しかし溌剌とした夫の顔がすぐ現れたので逃げ出したくはならなかった。
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