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10月・嫁が可愛いので今夜は寝ない
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しおりを挟む「葉山、ええやろ。ミラちゃんはうちの自慢の嫁や」
「ご結婚されて長いそうですけど、未成年の内に手を出したりしてないですよね?18歳未満は捕まりますよ」
嫁自慢を聞いてそう返した葉山の目がキリッと動き、酔いが抜けてきた唯がひとりギョッとするが、守谷は声高々と反論する。
「ぼけ、オレは待ったんじゃ。コイツが15の時から一緒に住んでんのに…我慢して我慢してミライの18の誕生日に入籍してん」
「同棲ですか?」
「いや、間借りというか下宿というか。オカンも居るしな。もともと家が隣で、遠縁やねん」
「えぇ~…それは見上げた忍耐力と行動力ですね、ね?笠置コーナー長?」
葉山は派手に驚き唯を覗き込むと、唯は
「セヤネ」
と消え入りそうな声で返した。
何を隠そう余談だが、唯は20歳の時に16歳の葉山の童貞を頂いているのだ。
「そうですよね、成人が16歳に手を出したら淫行ですもんね、普通は年齢を確認しますよね、ね?笠置コーナー長」
「…セヤネ」
合意の上だったくせに葉山は増長するが、
「いや、若いだけでね、なんの取り柄もなくって。荒れてたし」
未来が恥ずかしそうに割って入るとその場のメンバーは目を丸くして驚く。
「え、荒れてたの?」
「ちょっと、尖ってる時期があって。化粧するとか、ブリーチかけるとか、集会にちょっと出るとかその程度やね、ほんと。学校はちゃんと行ってたし、田舎の半端な不良でお恥ずかしい」
「お前はどこを恥ずかしがっとんねん」
葉山が未来へ
「それ、当時のじゃないですよね?」
と本日の服装について問えば、
「これは、主人の妹さんの♡うちのは、もう少しワタリが広かったかな、パパ」
とすっかり落ち着いた彼女は夫へ話を振った。
未来は今日、紺のツナギの前を開けてサラシ風のインナーをチラリと見せ、黒のマスクを顎に下げヤンキー風のギャルに扮している。
「せやな」
「ワタリって?」
唯はコソコソと嘉島に尋ねた。
「ズボンの筒の幅のことだよ……守谷さんそうなの?尖ってるかァ、そんな感じ無かったけど」
「チーフが転勤されて来た時は、もう結婚して落ち着いてましたもん。主人に紹介してもらってムラタのバイト入って、定時制通いながら…更生させてくれて、主人とお母さんには感謝しかないですよ」
「そう…」
「13歳差やから、最初はロリコンとか言われて可哀想やったけど…あ、写真撮ろ、ユイちゃん、」
未来はケラケラと明るく笑い、唯を伴って他の女性陣の輪へ集まって行く。
和気藹々と記念撮影をする女性陣を望んだ嘉島は、
「うち、そのダブルスコアだなァ…」
と、何か思うところあってか呟いた。
「え?」
「いや…よかったよね、守谷くん。頑張ったんだ」
「言うても、オカンのアイデアがほとんどで。同居というか引き取りやし…ちょうど彼女も居れへんかったし、そのうち情が移ってね。保護者から旦那になったくらいの変化やったですよ」
「とか言って、昔から好きだったんでしょう?」
若い葉山が2人へ割って入る。
「…そうやったら運命的なんやろうけどなぁ。ミラがうちに遊びに来てたんは10歳までやな、うちの妹と仲良うてな。そん時オレ23やから、さすがに何にもなれへんよ」
「まァ…良かったじゃない、ようやく一緒に暮らせて」
「全くですよ。オカンと嫁と赤ん坊置いて、ほんまに…嫁がよう頑張ってくれましたよ」
「…寂しかった?」
「当然ですやん、オレ、いま嫁のことめっちゃ好きやのに。息子にも会いとぉて…あー、しやから今は幸せっすわ」
「浮気の心配が無さそうでいいね、奥さんは」
と嘉島は笑いかけるも、守谷は何故かいい顔をしなかった。
「あ、チーフも嫁視界に入れたらあきませんよ。妙な色気があるさかい」
「えェ…なんでよ…直属の上司だよ…」
守谷はニコニコと、いつもより若気に見える妻を眺めて微笑む。
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