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12月・嫁が可愛いのでどんな夜も燃える
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しおりを挟む「……言うたな、ふふっ……オレも男や…その安い挑発乗ったろやないか。来い、嫁さん。風呂、入り直そうや」
ゆらりと立ち上がった守谷は未来の肩を抱いて立たせ、風呂場へ向かう。
源泉掛け流しの内湯、これも部屋を決める上での守谷たっての希望だった。
たまにしか取れない連休、もっとゆっくり落ち着いて入るつもりだったのだが。
肩を抱かれた未来の表情は硬く、身売りでもされたように悲壮な顔をして、しかし覚悟を決めてしっかりと脚を浴室へ向けた。
乱暴はいけない、守谷はベストな対応を考えながら浴衣を脱がせる。
「………」
未来も黙ってされるがままに裸になり、先程までの威勢はどこへ、恥ずかしそうにタオルで体を隠した。
肉の付いてない細長い体、本人はこれでも太った方だと言うが正直、守谷の好みの肉感的な女体には程遠い。
守谷も浴衣を脱いで浴室へ進み、彼女は何だかふに落ちない、といった神妙な顔で付いてくる。
「…挑発に乗って、そのまま抱かれる思うた?大人を馬鹿にすなよ。ほい、隠すなて」
未来の両手首を掴んでタオルを落とさせると、ささやかに膨らんだ胸が露わになる。
「…かわいいね」
守谷なりに最大の賛辞を贈ったつもりだったが、皮肉に聞こえたようで未来の口がへの字に曲がった。
「…小さいねん…でも、子供は産めるから…」
「は…ミラちゃん、子作りのためにスるわけちゃうよ…それもあるけどさ……んー…まぁ入ろか」
簡単に体を洗い、二人で芳しい檜風呂へ浸かる。
「ふあーー…ええ湯やな………な、」
守谷は両手で湯を掬って顔をパシャパシャと洗い、様子を窺うように静かに佇む嫁を安心させるため笑いかけた。
「うん…タレナガシ?」
「掛け流し、や。…ミラちゃん、オカンもオレも、ミラちゃんをそもそも嫁に貰うつもりで同居させた訳ちゃうからさぁ。ましてやその…跡取りを産ませようとか…時代錯誤なこと思てへんよ」
「でも、うちのこと好きで結婚したわけちゃうやろ?」
「えぇ…なに言うてんの…まぁ元々は保護者感覚やったけどな、幼馴染みの片思いにオレが応えた、ちゃんと愛してるから入籍までしたんやで?オカンに焚き付けられたんもあるけど!けどもや、決めたんはオレやから」
「!」
未来は「愛してる」という言葉にひどく感銘を受けたようだった。
「エッチしたいだけやったらとっくに手ぇ出しとるよ。子作りかて…女の子は16で結婚できるんやから…それを18まで待った、ミラちゃんへの誠意よ。過去のゴチャゴチャもあるしな…」
守谷は湯気の中で嬉しそうにはにかむ妻の頭を撫で、彼女を抱くために自身の気持ちを高めていく。
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