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10月・おまけ

守谷のパーティータイム

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 10月のとある日の夜。

「お、新作出てるやん♡…な…!!!なん…やと……⁉︎」

 親も子供も嫁も寝静まった土曜日深夜、守谷もりやは書斎のパソコンで行う週1回のAVパトロールで、推し女優の新作リリース情報を確認して衝撃を受けていた。

 デビュー当時から…と言っても彼女はまだ業界に出てきて1年ほどだが、その豊満な体と顔立ちが好みで、レンタル派の守谷がわざわざ彼女の作品だけはパッケージで購入しているのだ。

「若妻……やと……」

 AVにもジャンルは数あれど、この守谷は自然な演技・展開の物を好んで食す。

 シチュエーション・シナリオものは棒芝居が気になってしょうがないから敬遠しがちだが、しかし推し女優がついにこのジャンルに参入してきたとあっては話は別である。


「しかも主観…うわ……こんなん即買いやん……」

守谷はショッピングページに移動して作品をカートに入れ、流れるように決済を行った。

 この分なら到着は明後日か…頭の中でカレンダーをめくり、勤務シフトと照らし合わせてパーティータイムの計画を練る。

「菓子買うて…ジュース買うて…ふはは…たまらんな」

 若妻ものは地雷を踏みたくなくて避けていたが今回はいけそうだ。

 イメージと期待と股間が膨らんで、守谷はいそいそとテレビの前へ移動しレンタル中のAVの消化にかかる。

 今夜の1枚はスポーティーなキャラクター、長身で筋肉質な女優が汗だくなセックスを魅せるシリーズものである。

「胸の大きさは似てんねんけどなぁ、」

 画面のスレンダーな女優と、今頃ベッドで寝息を立てている嫁を比較して、守谷は想像で補いながら自身をしごく。



「ミラちゃん…あー、抱きたいィ……ハメたい…」

 産後からレス期間を経て先日のホテルで燃えた夜、幾度も射出しては棄ててきた子種を本来の場所に納められるのは非常に嬉しく…当たり前だが興奮した。

 毎週金曜日は嫁とのセックスのチャンスがあるのだが、今週は生理中だったので昨夜抱き合って寝たばかりである。

「ふッ…あー…そんなんせんでええねん…でも可愛いな、あー…いつかしてくれるやろか…」

 男優のモザイク越しでも分かる赤黒いモノをパクリと口に含んで、画面の女優は上目遣いでしっかりとしゃぶる。

 嫁にフェラチオはさせたくない、されたくない、しかし好奇心がたまに覗くので自制しなければならない。

 この女優が嫁だったら…想像する分には迷惑もかからないし許して欲しい、守谷は手元の動きを緩める。

 そして過去の恋人にシてもらった舌の感触を思い出して扱いてみるも、うまく補完できなかった。

「わからんな…教えてみよかな…あーでもなぁ…」


 そういえば自分も女性側を…クンニリングスはしたことが無い。

 まだ人の事をとやかく言えない、守谷はまだまだ経験不足な自分を恥じ、新たな目標を掲げて手元を激しく動かす。

「ゔあー…ええな、あー、ちょっと似てんなぁ…あ、ミラちゃんン…」

後背位でガシガシ突かれる尻と背中と少し見える胸と顔、嫁に似て見えるアングルを発見して一層たぎる。


 そしてスパートをかける男優が果てるよりひと足先に射精を迎えた。

「あー…ミラちゃん………ミラ……ミラちゃんッ…出るッ、あ、あ、あーーー♡♡♡」

 最中さなかぎるのは頬を染める嫁の顔、昔から変わらない体型と小さな胸。

「ハ…あー…勿体無い…ミラちゃんの…は…」



 短い賢者タイムの間に守谷は後片付けをしてDVDをケースへ収めて袋へ戻す。

「はぁ…水飲んで…寝よ…」


 明日は忙しい日曜日…守谷はこうして夜な夜な欲と鬱憤をティッシュへ吐き出して、ストレスフルな日々を乗り切っているのだった。
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