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後日談
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しおりを挟むそして帰ってその夜の、この情事である。
「あッ…ア、都築、くんッ」
「へへッ…鶴見かいちょー、……あ、キミちゃん、話は変わるけどさー、何か悩んでんのかって、周りが心配してたよ?会社で、何かあるなら言いな?」
「ぐあッ♡」
大きな体で包み込まれる後背位、龍進が体重をかけると色々狭くなって公親の悲鳴があがる。
「んー?何だろ、俺と別れたいとかじゃないよね?こんなに仲良しだもんね?」
「そ、れはぁッ…あ、つらくて、」
「なに、俺、何かしたかな?」
龍進はやっと腰を止め、首を伸ばして裸眼の公親の瞳を覗き込む。
公親は潰れた肺から懸命に息を吐いて、
「僕たち、こんなに、幸せで、ラブラブなのに、誰とも、惚気を共有できないんですよ」
と唇を震わせた。
「は?ノロけたいの?それが出来なくてつらいの?」
「同棲あるあるとか、龍くんの好きなところとか、共感が欲しいんですよ、恋バナ、したいんです」
「…俺の素性を明かさず、話してみるとか」
「…それがスムーズにいけば良いんですけど……男とか女とか関係なく、パートナーのことを語りたい、なんて変な欲求が出て来て…ごめんなさい、拗らせてて」
「ふーん…自慢したいの?俺のこと」
龍進が上体を持ち上げ揺さぶりを再開すれば、公親は「そうれすッ♡」と切なげに吠える。
「こんなところが好き」「こういうところ直して欲しい」を語りたい。
ちょっとディープなことも明かしてしまいたい。
ただでさえ堅物そうなイメージの公親は、軽々しく恋人の惚気を溢すことも難しいのだ。
誰も気にしないし、むしろ公親の浮いた話なら是非に聞いてみたい候補者が現れそうなものだが…公親本人にも崩せないスタンスがあるらしい。
「SNSでも始めたら?別に、性別を明かす必要無いし。承認欲求満たされるよ」
「そう、れしょうかッ…あ、龍くん、」
「お、キミちゃんも勃っちゃった、いいねー、イキそー…キミちゃん、もっと俺の名前呼んで、」
「りゅう、ぐんッ…もぉ、なんか、あ、」
硬質の体に腕を食い込ませ、龍進はスパートをかける。
ぐわんぐわんと公親の頭は揺れて、喘ぎ声は枕に吸われて小さく響く。
「キミちゃんを、感じさせられて、嬉しーよ、ん、イく、キミちゃん、出ちゃう、良い?」
「は、いッ……ッあ♡♡♡」
腕の中で最大限に公親が跳ねる。
そしてそれとほぼ時間差無しで、龍進も股間を公親に擦り付け押し付けして豪快に果てる。
「ん、キミちゃん、すげぇ、きもちーよ、愛してる、ん、イく、ん、んッ……ん、んー♡♡♡…キミちゃんも、どうッ⁉︎」
だくだくとゴム越しに注ぎ込んで、さぁパートナーのを搾ってあげようと龍進は手を伸ばす。
しかしそこにあるのはヘナったモノとベタベタする感触だけ、公親は
「すみま、せんッ…もぉ、れちゃいました…」
と耳まで真っ赤にして突っ伏した。
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