君の望む僕に、なろうと努力はしますけども。

16

　大きな手が、腰を抱く。

　そこから小さな震えが伝わって来て、公親は申し訳なさに涙ぐんだ。

　龍進はきっと快感を得ていて、しかし公親のことを思い抑えているのだ。

　自分勝手に感じても達しても構わないのに、一方通行では意味が無いから辛抱してくれている。

　その優しさが嬉しくて、気持ち良くなれない自分が情けなくて、龍進の顔が潤み滲んでいく。

「こんなに、好きなのに…ひとつには、なれないんでしょうか…すみません、僕が不感症なのかもしれません」

「いや、そもそもケツは性器じゃねーから…謝んないで、キミちゃん…抜いて、んでいつもみたいにイチャイチャしよ、それが一番いーよ」

「はい…」

公親は龍進から降りて、ちょこんとベッドに腰を下ろす。

　短時間でも尻はなかなかにダメージを受けており、裂けたりは無さそうだが疲労感がある。

　疲れを見せては失礼だと公親は表情を作り、龍進へと向き直った。


「キミちゃん、何発抜く？」

「え、決めとくんですか？」

「手でだろ、フェラで１発だろ、シックスナインで１発…３発はいきたいよな？」

「…龍くんもでしょう？頑張れますか」

「体力には自信あるから」