君の望む僕に、なろうと努力はしますけども。

茜琉ぴーたん

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「昔の彼女のこと言ってる?それを言ったらキミちゃんだって…彼氏いたことあるでしょー?」

「僕はネコの経験がある、龍くんはタチの経験がある、だから合致してるって言ってるんです!もう…こんなことでケンカしたくないですよ」

「ごもっともだなー」


 公親もかつて男性の恋人がおり、その人に対してはネコの立場だった。

 その時はこうした話し合いではなく、流れでそうなっていた。

 相手は少し強引というか男っ気の濃い人だったので、お任せした形だ。

 しかし公親は痛みと違和感に最後まで慣れることが出来ず、セックスの気持ち良さは結局分からずじまいだった。

 それでも気の合う龍進となら快感を得られるのでは、と今夜のデートに期待していた。


「世の中の同性カップルはどうやって決めているんでしょうか…せっかく恋愛感情を抱けても、そこが噛み合わないんじゃ…」

「セックスが全てじゃないってことじゃん?イチャイチャしたり抜き合ったりするだけでも愛は伝えられるし」

「そう、ですけど」

「キミちゃんは、そんなに掘られたいのかー」

 龍進のおどけた問いに、公親は

「そうですよ、龍くんに抱かれたいんです」

と切なげに答える。
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