君の望む僕に、なろうと努力はしますけども。

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「キミちゃんは、絶対押し倒す方が似合うよ」

「それがなんでなんですか。てか、誰が冷血ですか！僕をそういう風に思ってたんですか⁉︎」

「イメージの話、だよー。俺は攻めるの好きじゃないっていうか、キミちゃんの攻めを見たい、って感じなんだよねー」

「…勝手は分かるでしょう？龍くんがした方が良いに決まってます」　


　実は、龍進は高校時代に彼女がいたことがある。

　男として初体験も済ませており、その点において慣れていると公親は主張しているのだ。

　龍進は当時は彼女のことを好きだったし、性欲と好奇心でセックスをしてみた。

　気持ちが良いし女体は柔らかくて心地良い、しかし継続したいとは思えずいつしか関係は自然消滅していた。


　龍進は心が女性寄りということも無いのだが、いわゆるボーイズラブ文献には理解が深い。

　共感するし憧れるし、「こんな恋がしてみたい」なんてポッとなることもある。

　そして自身で分析してみるに、軟質な女性の体よりも硬質な男性の体が好みであるということが分かった。

　自分が鍛えるのも実はその心理があるからで、自身を鏡を覗いてニマニマしてしまうし強靭さにうっとりしてしまう。

　そういった点で、龍進は「男性に惹かれる」と自認しているのだった。