46 / 46
おまけ
貝殻・後編
しおりを挟む「なるほど、こんな感じなのね。分かったわ」
「ひー…」
「悠希斗くん、可愛かったわよ」
「どう、も…」
「じゃあ次の体位ね……あ、これはやめましょう」
起き上がり口を拭いた巴さんは、スマートフォンの画面をついつい滑らせて他の体位を探す。
「なんでですか、見せて下さい……あ、」
取り上げて遡り確認すればそれは『立ち花菱』こと腰を高く上げた状態でのクンニリングス。
フェラチオは厭わない巴さんにあっても自身が舐められるのは抵抗があるらしい。
僕だって好みではないが巴さんをギャフンと言わせられるならやってみようか、
「ずるいですよ、次は僕の番です。脚開いて」
と迫れば彼女は風呂を嫌がる子犬みたいに一目散にベッドの隅へと逃げる。
「舐めさせるなんて嫌に決まってるじゃない、やめて、」
「ぺろぺろさせてくださいよ、巴さん」
「いやよ、やだ、あ、ひゃうッ」
テキストや資料を参考にするのも為になるけれどこういう型にはまらないのも良いでしょう、体位は不確かだけれど僕は巴さんを捕まえて組み伏せて大切な所を舐った。
恥ずかしいのは体位かそれとも状況なのか。
巴さんはぱくぱく涙目で僕と目を合わせては可憐に喘いでくれた。
「(実況はできないか、これ、好きなのかな…鍛錬しよう)」
口うるさくて理屈屋の巴さんが黙る珍しいプレイを見つけた僕はつい気が大きくなる。
そして仕返しとばかりに重点的に責めて…絶頂を体感していただいた。
反り返る腰、僕を蹴る痺れた足先、「離して」と僕の髪を引っ張る弱々しい指。
可愛らしい悲鳴の何もかもが初めてで新鮮でえらく興奮した。
「ぷへ…暴れましたね」
「苦しいこと、しないでよぉッ…ばかぁ」
「…苦しかったですか?」
「……き、もちよかったわ」
「正直でよろしいですね」
「ふん」
コンプリートにはまだまだ攻防戦が続きそうだ。
だって口淫はまだ複数種類残っているしシックスナインだって控えている。
僕が我慢するか彼女が折れるか意地の張り合いになるんだろうな、スマートフォンを枕の下に隠した巴さんは次はどんな体位を提案してくるのだろう。
「大丈夫ですか?」
「…大丈夫じゃないわよ…悠希斗くん、もう普通に…セックスがしたいわ」
「あら」
「ビクビクしてるの…早く、ペニスを挿れてちょうだい」
「言い方が…まぁ望むところですけど…ところで巴さん、48手以外にも沢山あるんですけど、体は柔らかい方ですか?」
やっぱりムードに欠ける僕らは今宵も直接的に指導し合って、しかし確実に日毎に親密さは増しているのであった。
おわり
0
お気に入りに追加
13
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる