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おまけ
貝殻・中編
しおりを挟むやれやれ諦めてくれたかな、他の体位を探っていると巴さんは物思いに耽るかのように斜め上を見上げてだんまりになった。
「…巴さん、もしかして他の候補者の選定に入ってます?」
「失礼ね。どうやったら不意打ちできるか考えていたところよ」
「なーんだ…それを聞いたら僕も万全のガードで過ごせますね」
「…ちょっとくらい良いじゃない…ねぇ、悠希斗くん」
鳩胸の谷間を寄せて長いまつ毛で上目遣い、女性からのお願いなんだから普通断る男はいないだろう。
するする太ももを撫でる白い指、許可無く陰嚢に触れては生命の息吹を肌で感じる。
「ダメ、です。女性を苦しめるようなプレイが好きじゃないんです」
「苦しいかどうかは私が決めるわよ」
「嫌です」
「悠希斗くん、」
ぎうと力を込め竿を握られて一瞬気が遠くなった。
ひと息の間に巴さんはずいと乗り出して僕の耳に
「悠希斗くんのペニス、ちょっとだけ舐めさせて欲しいの…良いでしょう?」
とおねだりを吹き込んだ。
「ふあッ…」
「良いってことよね?ありがたく頂くわ」
「やだ、巴さッ……あ、あッ…ぅわ…」
結局巴さんの押しと色気と知的好奇心に僕は勝てず…この日初めて僕は48手『千鳥の曲』ことフェラチオをされた。
その感触は快感だが姿にはやはり慣れない。
ふがふが苦しそうな巴さんを見ないようにするのが精一杯で性行為というより拷問に近かった。
「ぷは…悠希斗くん、失礼よ」
「すみません、でももう結構です…」
「人がせっかく…ム…塩っぱいわ、味があるのね…ふが…これは精液とは違うの?」
「カウパー、先走りとか我慢汁とかッ…あ、そんな…やめてぇ…」
「見なさい、悠希斗ぐんッ…苦しくなんかないわ、むしろ楽しいわよ」
「分かりましたから……ゔは…あー…ヤバぁ…あー…」
萌えないけど気持ち良いから始末が悪いんだ。
互いの快感がイコールじゃなきゃ楽しいセックスじゃないだろう。
目を閉じて巴さんの中に入っていると想像してなんとか持ち堪えて、絶対に口内射精なんかしてやるもんかとどうにか踏ん張った。
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