薮から棒な巴さん…見たい、知りたい、触りたい。

茜琉ぴーたん

文字の大きさ
上 下
43 / 46
5

43(最終話)

しおりを挟む

「ぷはっ…あははっ」

「な、何よ、ご希望に添えなかったかしら?」

「いいえ、あはは…予想通りだな……はい、違う体位ね、試しましょう。何にしますか?」

「とりあえず、基本の48手はマスターしたいわね」

 本当に探究心に真っ直ぐな人だ。

 これは僕も張り切って付き合わねばなるまい。

 「48手は基本ではありません」なんて進言も野暮ってもんだ、僕は彼女の好奇心のままに従順な棒であろう。


「じゃあ巴さん、うつ伏せになって」

「……こう?」

「はい………お尻、上げて、そう…上手です……ん、」

「わふッ」

 脚を抑えられ抵抗できない状態からの指責め、亀みたいな巴さんは首にシワを寄せて振り返り僕を睨む。

「反応とか気にしなくて良いですからね、キャラクターも。思うままに、巴さんの素を見せてくださいッ…はー、キツい」

「なにッ…⁉︎あ、そんな、どこを…えぇ⁉︎それどこ…膀胱ぼうこう?やだ、悠希斗くん!」

「ほんっと、反応が残念だなぁ、残念で……可愛いなぁ、」

「やめ、ひあ、小休止よ、トイレ、あ、ぐりぐり、やめてぇッ」


 まこと巴さんのリアクションは端的でムードに欠ける。

 でもそんな彼女が慣れてきてイメージ通り色っぽく強気に誘ってくれる日が待ち遠しい気持ちも捨てきれない。

 もちろん慣れずにずっとこの間抜けな実況を愉しむのも良いだろう。

 僕は巴さんのこの可愛さを誰にもバラさないし共有したりなんかしない。

 もし聞かれたって答えるもんか。



「わ、潮吹きだ」

「っ…やべでっで…言っだじゃなイっ…なによこれ…あふ…」

「その興奮のまま、しましょう、ゴム、ゴム、」

「え、えぇ⁉︎ひゃッ…あ、あー‼︎」


 持ち越した快感は僕をぎゅうと絞って頑なで、脚は僕の腰に巻き付いてナマケモノみたいにがっちり貼り付く。

 びくびく引きつる中、驚きとエクスタシーに我を忘れる表情、全てが美しく新感覚で愛おしい。


「巴さん、僕、巴さんのこと、すごく好きみたいです」

「あふ、ぞおッ、」

「元カレの気持ちも少し分かりますよ、お高くとまった巴さんが乱れる姿、凄くレアで優越感で満たされます、」

「なにお、それッ…あ、あッ」

「新しい顔、これからも見せて下さいね!」

「見せ、ひゃアっ♡」


 常にマンネリにならないよう退屈させないよう変化を付けてやろう。

 未知の部分があれば彼女はワクワクして「何をしてくれるのかしら」と僕から離れまい。

 好奇心を刺激し続ければ互いに楽しんでいけるだろう。

 やれやれ僕はそこまで性欲が強くないと自負していたがそうでもないのか強がりだったのか今になってさかりの時期が来たのか。

 あらゆることを巴さんと試したいと探究心がばくばくとうずいている。



「巴さん、イキそう、」

「え、あ、うん、来なさい、準備オーケーよ!」

「……だからさぁー…あー出る、あー、あー……もぉ…」

「……やっぱ、脈動はよく分からないわね」


 じゃあいずれは分かるように直で出してあげますよ。

 そう言い残してシャワーへ向かえば、数分後に「悠希斗くん、さっきのがプロポーズだったら怒るわよ⁉︎」なんて風呂場へ突撃してくる彼女の頬は真っ赤だった。


「それも追々、」

「…ちょっとくらい、ロマンチックも体験させてよね」

「どの口が言ってんすか」


 良いバランスでこれからもやっていきたいな。

 今日も僕の巴さんは素直で不敵で気高くて…ちょっぴりポンコツだ。



おしまい
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

シチュボ(女性向け)

身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。 アドリブ、改変、なんでもOKです。 他人を害することだけはお止め下さい。 使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。 Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

処理中です...