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しおりを挟む僕は見られつつ服を着て、17時まではフリータイムとのことだったので並んで横になり先輩と話をした。
「悠希斗くん、また…こんな機会が来るかしら」
「…来ますよ、僕らがもっともっと親しくなって、心の底から素を見せても良いって思えたら…っていうのは綺麗事ですかね」
「いいえ、私も急ぎ過ぎたわ…まだ私、イメージ通りの巴先輩で居たいのかも」
「それで良いですよ、焦らせたくありませんし…また関係を深めて、僕にじっくり溺れるのを見ていきたいです」
「エッチねぇ」
そう言って笑う巴先輩は蕩けるような笑みを見せて、僕にキスをくれる。
「私が棒を見せてと言い出してから始まった関係だもの、私がグイグイ行っても良いのかしら」
「処女なのに?」
「失くしてしまえば対等でしょ?そこから怒涛の巴上位タイムになるかもしれないじゃない」
「あは、それワクワクしますね。キレイなお姉さんに好きにされたい願望はあるので」
「正直ね」
僕らにはムードも足りなかった。
「さぁ!」と勇んでするのが間違いだったのかもしれない。
恋に溺れるのが怖いと言うのなら彼女の全てを受け止める覚悟を僕も持たねばならない。
表情や反応に「意外だな」なんてことを感じても表に出してはいけない。
まぁ僕は巴先輩なら上に乗られたって興奮するだろうからわざと怒らせて折檻していただくのも嫌ではないが。
時間いっぱいまで他愛のない話をペッティング未満の触れ合いと共に行い、僕らは清い関係のまま家路に着いた。
ちなみに支払い用のシューターはカプセルに現金を入れてボタンをポチリ、エアーでフロントとの往復をさせて戻って来たそれにはお釣りが入っていた。
先輩はこれも大変興味深かったようで、「電子カルテが普及する前の病院の天井もこんな感じだったわよね」なんて僕に同意を求めてくる姿が可愛らしかった。
つづく
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