薮から棒な巴さん…見たい、知りたい、触りたい。

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「ごめんなさい、じゃあ、見せていただくわ」

「…動物園の動物の気分だなぁ」

「……へぇ…ふぅん…はぁー…」

「ひとりで納得しないで、何か質問とかあれば答えますよ」

「んー…悠希斗くんの棒は、それは今はどういった状況かしら。興奮してる？それとも平常かしら」

熱心な野鳥の会会員みたいな巴先輩は目から双眼鏡を離さず、少々声を張る。

「少し興奮状態です。ちなみに僕は仮性包茎なので半分剥けた状態ですね…たぶん、先輩の知ってる棒の形とは違うと思います」

「あ、そうなの…確かに、送られてきた写真とかネットの拾い画は全て上向きだったわね…それが上向きになるの？」

「すごく調子が良ければ天井を向くかと」

「へぇ…凄いのね…」

「あの、気持ち悪くないですか？キレイに整えて来たつもりではありますけど」

「平気よ、悠希斗くんだから」

　比較対象が腹の出た知らないおじさんだから妥当な評価かな、ともあれ吐いたりされなくて安心した。

「それで、その…満足しました？」

「んー…もう少し、上向きになるところも見てみたいわ」

「…AVでもつけましょうか、そこのリモコンから切り替えできるはずです」

室内の壁掛けになった大きなディスプレイには繰り返し施設説明が流れていてうるさい。

　これはテレビ放送や外部入力に切り替えることができるはず、映画を選んで呼び出したりもおそらくできるはずだ。

　以前訪れたホテルでは衛星放送みたいに常時アダルト映像が流れていて、セックスしに来ているのにこんなもの観る機会があるのかななんて当時の彼女と笑ったものだ。

　施工主もこんな用途は加味してないだろう。

　しかし僕はありがたく利用させてもらいたい。

「…どのような女性に、悠希斗くんは興奮するの？」

リモコンにもディスプレイにも見向きもせず、巴先輩は双眼鏡を膝の上へと下ろした。

　僕から先輩までは５メートルほど離れているか。

　隠せもしない彼女の頬は桃みたいに柔らかなピンク色になっていた。

「タイプですか、うーん…」

「悠希斗くん、この場合は『巴先輩です』と言うのが正答じゃないかしら」

「あ、失礼しました…巴先輩がタイプです」

「よろしいわ……私で、興奮してくれたら…一石二鳥よね」


　何がですか。

　尋ねるかどうか迷っていると巴先輩はもこもこのニットの裾にクロスで手を掛けてガバッと捲まくり上げる。

　中にはベージュのインナーシャツ、近付いて良いものか分からずあわあわしているうちにそれも脱ぎ捨てられた。