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 もう限界だろうか、

「巴先輩、今日はここまでにしましょうか」

と提案すれば先輩は目を真っ赤にして泣きそうになっていた。

「先輩?」

「ごめんなさい、悠希斗くん…私、こんなことをさせてしまって」

「今さらですよ」

「私、いえ、えっと、」

「落ち着いて下さい…あの、服を着たら」

 肌触りの良いインナーを持ち上げて膝に置こうとすれば、先輩は立ち上がり双眼鏡がゴトリと派手な音をあげて床に落ちる。

 割れてはいないだろうが足の上を直撃しなくて良かったなぁ、拾ってベッドに置き直すと巴先輩が僕の脚の間に入り込んで来ていた。


「悠希斗くん」

「え、どうしました」

「さ、触りたいのっ…悠希斗くん」

「へ…あ、ここに?」

「全部、悠希斗くんの全部に…触りたいの…おかしいでしょう、笑って良いわ、でも、触りたいの、ドキドキして…恥ずかしいの、でも触りたいの」

 理性と欲求のせめぎ合いか。

 二人きりの密室において裸でいてそもそも僕らはカップルなのだから先輩の欲するものは至極当然なものだ。

 僕らは成人しているし誰に責められる謂れもない。

 きちんと避妊もするつもりだしペッティングで終わったってご馳走を後に取っておけるならその我慢もまた乙なものだろう。

「おかしくないです、巴先輩、触って、良いですよ、思う存分、知的好奇心を満たして下さい」

「そういうんじゃないの」

「おわッ」


 巴先輩はまるで映画で観たマッドサイエンティストみたいな形相で、僕の猛りに掴みかかった。

 少し冷たいか、ぽっぽと赤らんだ頬とはギャップのあるその手の温度にぞくぞくと身震いがする。

「わ、あ、あったかい」

「あ、せんぱ」

「凄い、こんなに大きく硬くなるのね、はぁ…ここが尿道ね?なるほど、」

「あ、開かないで」

「あは…何でかしら、可愛いわ…小さいとかそういうことじゃないの、愛でたいの…可愛い、食べちゃいたい」

「ち、痴女じゃないんですから」

 僕は趣向としてフェラチオはあまり好みでなくて、されたことはないのだが何というか的に萌えない。

 AVでも鼻の下を伸ばした女優の顔と男優のモザイクなモノの並びがなんとなく苦手で正直嫌いだ。

 もし舐めそうなものならやめさせよう。

 そう思いつつすべすべ撫で撫でする先輩の顔を眺めていた。
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