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17章
78きゅん
しおりを挟む「真梨亜さん、僕ね、本当のこと言うと、もっとエッチしたかったんだ」
LEDが煩く光るバスルームで、体を洗いながら大輝は正直に告白する。
逞しい腕、厚い胸板、何度見ても垂涎ものの裸体に浴槽の泡の中の真梨亜は
「…そう、なんだ」
と少し澄まして答えた。
弟から大輝の意見も聞き出して知ってはいたものの、これからこの身体に欲されるんだと想像すれば心と胎がきゅうと締め付けられる。
「うん。性欲あるから。でも求め過ぎちゃったら真梨亜さんが辛いかなって思って我慢してた」
「(あたしが辛くなるくらい?どんだけ?大輝くん…!)」
「真梨亜さんは僕が紳士的だから好いてくれてるんだと思ってるから期待に応えなきゃってのもあったし…でも月1回はさすがに我慢し過ぎたよね、真梨亜さんの希望も聞くべきだった」
「希望って…そんな…あ、あたしは大輝くんが求めてくれるなら何回でも…」
「極端な話ね、僕は毎日だって真梨亜さんを抱ける」
泡を洗い流した大輝が浴槽へ移れば、たちまち湯量が増してもったいなくも排水口へ多量の泡が吸い込まれた。
ズゴゴと鳴る豪快な音に紛れて真梨亜は
「ま、いにち…すご…」
と呟いてライトに照らされた顔を紅く染める。
「でもホテル代とか…まだ学生だから平日昼間に入れるけどさ、それが嵩み過ぎるのもどうかと思うんだよね。就職してもお互い実家から通うだろうしやっぱエッチはホテルになるじゃない、夜金額」
「そう、ね…」
「好きだからシたいんだよ、ケチりたい訳じゃない。でもそれで困窮したら元も子もないし、それ目的だと思われたくない。…だから、会えた時にしっかり真梨亜さんを抱く、そういうことにする」
「しっかり、」
「時間が許すまで」
「……うん」
このホテルは現在フリータイムで、期限の夜6時ちょうどまでだと5時間ほど滞在可能だ。
その間にどれだけ抱いてくれるのかしらと真梨亜は火照る顔とむにむに笑んでしまう口を手で覆った。
「嫌な時は言って欲しい。その…出来ない日もあるでしょう?遠慮なく言って、我慢できるから」
「…嬉しい…coupleっぽーい」
「うん、ふふ……思ったことは言わなきゃ伝わらないね。あの、僕ね、モテない男が初彼女に浮ついてるのって見てられないじゃない?だからあんまりはしゃがないようにしてたんだ」
「熟年夫婦みたいな落ち着きだった、あたし、もう飽きられたのかって…あたしがattackし過ぎたから仕方なく大輝くんOKしてくれたんじゃないかって…あたしのこと、そんなに好きじゃなくても今さら退けなくて、気を遣わせちゃったんじゃないかって…」
「ごめん、遅い春に妙な自制心が働いたというか…高校生メンタルではしゃいじゃっても良いのかな」
「良いと思うぅ…」
「うん、じゃあ真梨亜さん…上がろうか…バスローブ姿もエッチで良いだろうね」
「きゅん」
他人がどう評価しようと大輝は真梨亜にとってイケメンで男前でハンサムで紳士である。
そんな彼が発揮する男らしさに彼女は「大輝くん、dandyさもあるのね、超カッコいい…」と酔いしれる。
言われた通りバスローブを羽織り腰で紐をきゅっと結んで手を繋ぎベッドルームへ、数回ホテルを利用していても別々に風呂を使っていたのでこのエスコートも初めてだった。
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