真梨亜さんは男の趣味が残念だ

茜琉ぴーたん

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15章

67きゅん

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 大輝は目をまん丸にしてたまげたが、なるべく真梨亜が取り乱さないよう調子を落ち着けて努めて穏やかに聞き取りに入る。

「……真梨亜さん……経験、あるって言ってたよね?」

「……言った、わよ?」

「ん?」

「なによ」

 男性器がトランスフォームするなんて知らない。

 保健体育で勃起の仕組みは習ったが形状が変わるなんて知らない。

 どす黒い皮に包まれた肉の塊としか憶えていない…これがカルチャーショック?衝撃に襲われた真梨亜は乳首を隠すように腕組みして唇を尖らせた。

 もう少し可愛げのある白状の仕方があっただろうにもう失敗…苦し紛れに開き直る真梨亜は全身がじんわりピンクに染まっていく。

「……嘘ついたの?」

「………そうだけど?」

「はぁ」

「……」

「……」


 頭をぽりぽり掻く大輝と横目でそれをチラチラ窺う真梨亜、1分ほど沈黙の後に彼女は

「ご、ごめんなさいっ……あの、つ、強気に…行かなきゃ大輝くんは落ちないと思ったから…グイグイ攻めて…あの、悪気は無かったの、でももう言い出せなくて!」

と跳び上がり足を正して頭を下げた。


「…僕より手慣れた感じを出してたのは?」

「雰囲気だけ、あの、初恋なの、彼氏さえ…いたこと無いの、」

「そうか……騙されたな…」

「ごめんなさ…」

頭上からは渇いたため息が聞こえて呆れと罪の重さを知る。

 しかし真梨亜が泣きそうに唇を噛み締めるとため息は柔らかい声に変わる。

「じゃあ…僕ら、お揃いだね」

「………ぇ…」

「知らない者同士か、気が楽になったよ」

「……」

「リードしてもらうのは楽ちんだけどさ、情けなくて嫌だったんだ…でも真梨亜さんの過去は変えられないでしょ……そうなんだ…真梨亜さんも初めてか…ふふっ、可愛い嘘だね」

大輝は股間を露わにしたままベタンとベッドへ倒れ込み、「ふー」とまた大きくため息を天井へ逃した。


「ごめんなさいっ」

「良いよ、何か嬉しいから…お父さんのおちんちんと違った?」

「うん、あの、papaパパのはこう…もっと短くて丸かったの。こんな形じゃなかったの…あ、伸びてる?わ、あ、」

 ぴくぴく動く大輝のソレを上から見下ろして、真梨亜がそこをまじまじと観察していると脚が絡んで興奮が甦ってくる。

「おいで」

 大輝は真梨亜を横に寝かせて腕枕で迎え、

「それ、勃ったら剥けるんだよ…ということはお父さん、包茎なんだね…ふふ、なんか不思議な優越感」

とまるで寝取ったかのように男らしい一面を見せた。

「?」

「勃っちゃえば関係無いけどね、皮に包まれてるより僕みたいなずる剥けの方が地位が上みたいな…そういう男の中での話だよ」

「ふぅん…じゃあ大輝くんのはすごいってことね?最初からこの形だった」

「どうだろ、真梨亜さんのお父さんのも勃てば僕のより大きいと思うよ…そもそも海外でもこの価値観が通じるかは分かんない……いや、人のおちんちんの話ばっかりやめよう…あはは」

「…大輝くんも男の子なのね、楽しそう」

「そうだよ、」

 目を見合わせてまつ毛が触れ合うくらい寄り添って口付けを、

「男だよ」

とちょっぴり渋さも匂わせれば真梨亜は酔ったようにくらんと力が抜ける。
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