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15章
66きゅん
しおりを挟むクイーンサイズのベッドに向かい合ってぺたんと座り、大輝は真梨亜の下着姿を上から下までまじまじと見つめた。
そして自身も胡座をかいて「どうぞ」とばかりに真梨亜へ見せつける。
「真梨亜さん、膝、もう少し開ける?」
「あ、うん……大輝くん、意外と大胆…」
「ここまで来れば度胸だよ……やっぱ胸、大きいね…」
「うん…恥ずかしー…」
「慣れない?」
「慣れ…ない…」
そりゃ初めてなんだもん、とはまだ言えず真梨亜は膝を開いて後ろ手をつき少し仰け反って、グラビアポーズみたいに自身が思う官能的な女性を演じてみた。
その体を見つめる大輝の目はギラギラと言うよりは幼子を慈しむ父親のようで、次第に直視するのがもったいないとばかりにより細目になり眩しい太陽を観測するよう視界を絞る。
「ありがたや」
「大輝くん、見えてる?」
「見てる、意図せずエッチな本見ちゃった中学生の気分」
「なにそれ…触っても…良いんだからね」
「強刺激だな…これだけで時間が終わっちゃいそうだよ」
「たしかに……あの、自分で脱ぐ?」
「そうしよう」
平和な話し合いにて二人は自身の下着に手を掛けて、真梨亜はブラジャーだけ、大輝は尻を浮かせてボクサーをつるんと脱ぎ落として改めて座り直した。
「……」
「…真梨亜さん?」
「…ひァ……わ、あ、あ、」
ショーツの腰に指を挿した真梨亜は大輝のイチモツを目撃したまま釘付けになってしまい、まるで化け物でも見たかのように慄く。
大輝のソレは太くて大きく猛っていて、自分の知っているそれと差異があったために真梨亜は頭の上に見えない疑問符を数個浮かべる。
一方大輝はぶるんぶるんと震える剥き身の乳房の感想など伝えたかったのに真梨亜がそれどころではなさそうで、「もしかして僕のじゃサイズ的に不満なのかな」などと別方向に不安が募った。
「真梨亜さん、そんなに…僕の、みっともないかな」
「え、」
「お父さんとかその…アメリカ人と比べられると自信無いけど…小さいかな」
「へ、あ、違う、」
「形とか違う?」
アジア人のは国別だと欧米勢には負けるよね、大輝がしょぼんと申し訳無さそうにすれば
「違う、久しぶりだから…その、男の人のおちんちん、見るの。比較とか出来ない」
と真梨亜は正直に告げる。
彼女が知る男性器は父親のと弟のものだけ、しかしこれまで元カレの存在を仄めかしていたもんだから大輝は大袈裟な誤魔化しと捉えた。
前カレより小さいのか、その前のカレより細いかな、お父さんは大きそうだしアメリカ人のDNAが本能で巨根を欲してたりするのか。
「経験あるんだからそんなに珍しいものでもないよね?見慣れない?」
誘っておいて非難されるのはちょっと嫌だなと大輝は皮肉っぽく返した。
「(大輝くん…怒った?やだ、おちんちんなんて見たの本当に久しぶりなんだもん…それどころかはっきり見るの、初めてなんだもん…)」
「んー…ご期待に添えないかな…?」
萎みかけたソレを脱いだパンツで隠そうと大輝が体勢を崩せば、真梨亜はこの場が流れるのかと思い慌てて
「珍しいわよ、じゅ、10年は見てないんだもん、papaと最後にお風呂に入ったの小学4年生の頃なんだから忘れてる!」
と自身の最終観測歴を暴露してしまう。
「は?」
「それも普通のよ、大っきくなったとこなんて見たこと無いんだもん、おちんちんがそんな形になるなんて知らなかったんだもん‼︎」
「ん?」
「お風呂で見たpapaのおちんちんはもっと丸っこかったもん、そんなに大きくなくて…日本人のおちんちんがそんな形してるなんて知らな……あ」
内容もさることながら『おちんちん』を連呼するその憐れで破廉恥な泡を食う姿。
しかし言葉の響きからかさほど卑猥に感じないのが不思議である。
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