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しおりを挟む「空くんしか知らないし、これからも知らなくて良い。私がエッチなのは認めるけど、それは空くんがそう育てたからでしょう⁉︎」
「潜在的なもんだろ」
「そうかもしれないけど!……良いよもう。空くんなんて知らない」
「あーごめん、茉莉花、俺がワガママだった。変に妄想働かせちまったんだ、許して欲しい。嫌だって言うなら出て行く、でもその子は俺の子だから…関わらせて欲しい」
テーブルで頭を下げたら揺れた拍子に皿がガチャンと音を立てて、茉莉花は煩わしそうに鼻でため息を吐いた。
今のこの時から尻に敷かれる覚悟だ。
ゆっくり頭を上げて箸を持つ彼女の手を握る。
「…空くん、本気で、本気で軽蔑したよ」
「うん、当然だよ」
「違う人になっちゃったのかと思った」
「どうかしてたんだ」
「私と、お腹の子、また侮辱したら二度と許さないから」
「うん……ごめん、茉莉花…おめでとう」
俺が涙目で食事に戻ると、茉莉花は呆れた様子で
「それだけ?」
と無作法に頬杖をついた。
「あ、いや、コホン……茉莉花と子供を幸せにする。俺と結婚して欲しい」
「絶対だよ」
「任せろ」
「…信じるからね、空くん」
「あぁ…約束する」
この日から、晴れて俺は茉莉花の隣で寝ることを許された。
ベッドだからとかソファーだからとかの問題でなく、好きな人が横に居て呼吸音が聞こえるというのはとても安心するし快眠に効果がある。
おかげで、もっと茉莉花と話そうと思っていたのに布団に入り5分ほどで俺は寝入ってしまったらしい。
翌朝の茉莉花曰く「電池切れみたいに急に静かになって面白かった」そうで…笑ってもらえたなら喜ばしいことだと思えた。
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