上 下
2 / 59
1

2

しおりを挟む

 と言うのも茉莉花は性欲そのものが薄いので、肉体の浮気に手を出さないと踏んでいるのだ。

 なんせ俺との営みだって月に二度あるかどうかくらい、最中はべらぼうに可愛くて色っぽいのに普段の生活では隙が無い。

 家の中でも脇・鎖骨・胸周りは鉄壁のガード、下も足首から先しか露出しない。

 風呂上がりだってきっちりパジャマのボタンを上まで留めて、濡れた髪すら見せてくれない。

 ダブルベッドで隣に寝ていてもせいぜい手を繋ぐくらい、情事の後でも裸で就寝はしない。

 誘えば乗ってくれるし、拒まれたことはないから俺が嫌われてるとかではないと思う。

 何よりこうして一緒に暮らしている訳だし。

 同棲当初からそんな調子なので、俺としては茉莉花は慎み深くてセックスがあまり好きではないタイプなのだろうと考えている。

 俺が頂くまでは処女だったし、彼氏も出来たことがないと言うし、性に奔放じゃないのは有り難いことだ。


 ただ「エッチは嫌い?」と直接問い質しはしない。

 行為自体を嫌がってはなさそうだが俺のために無理をしているのかもしれないし。

 もし機嫌を損ねて全くのレスになるのは怖いし、かく言う俺も我慢ができる性分なので月2でも困りはしない。

 拒まれるのが怖いのは現代っ子の特性なのか、誘うこと自体も実はあまりしたくない。

 何となく夕食後に体調を推し図って距離を縮めてイチャイチャして、俺が「今日、良い?」と尋ねれば茉莉花が「うん、」とキスを返して準備に入るのが通例だ。

 大人しい茉莉花が嫌がる顔は見たくないし悩ませたくない。

 俺は頼まれれば毎晩だっていけるけど彼女が求めないなら無駄な興奮はしたくない。

 溜まってるなと感じた時はひとりトイレに篭り、スマートフォンでアダルト動画を観たり数少ない茉莉花の乱れた姿なんかを思い出しては便器に吐き出すのだ。

 それで充分、不都合が無い。

 もし茉莉花とこのまま上手くいって結婚したとして、俺の前だけで稀に乱れる貞淑な妻なんてエロいし浮気の心配も無くて最高だ。


 快楽に勝る信頼は大きな要素で、俺は過去の彼女2人に浮気されて別れた経験があるのでその辺りの価値観が合わないとどうも厳しい。

 男好きする女を選んだ俺が悪かったのか、それとも俺に女を繋ぎ留めておく魅力が無かったのか。

 いずれにしても、他の男とまぐわっておいて平然とできる彼女の顔ときたら…素晴らしい主演女優賞ものだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

なし崩しの夜

春密まつり
恋愛
朝起きると栞は見知らぬベッドの上にいた。 さらに、隣には嫌いな男、悠介が眠っていた。 彼は昨晩、栞と抱き合ったと告げる。 信じられない、嘘だと責める栞に彼は不敵に微笑み、オフィスにも関わらず身体を求めてくる。 つい流されそうになるが、栞は覚悟を決めて彼を試すことにした。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

処理中です...