85 / 85
epilogue…
85(最終話)
しおりを挟む初めて体を重ねてからもう10年ちょっとになるか、ここに来て新しい発見があったりするんだから何事も3日坊主は良くないんだろうな。
色んな物事を好きになってブームが過ぎて手放して、新しく夢中になれるものを探しては挫折したり諦めたり、趣味でも進路でも私に限らず大抵の人がそれの繰り返しだ。
けれど篤人との関係は珍しく初志貫徹、というか一途というかこれしか無理というか。
篤人しか私を可愛い女扱いしてくれないしこんなに大事に抱いてくれない、奴だけは手放せないしとにかく離れてくれない。
「珠ちゃん?んッ、目線が合わないの、ちょっと不安、だなッ」
「ん、少し、明るく、するかッ?」
「今度ね、キャンドルとか、焚いてみよ、ん♡珠ちゃんが仮面着けるとか、気になるならそんなのとかね、あはッ♡」
「お前が目隠ししろよッ、ん、篤人、ゆっくり、」
背中に回した手でぺちぺち合図を送れば篤人は動きを緩やかにして、
「なぁに、珠ちゃん♡」
と最奥へ挿し込んでぐりぐり押す。
「ゔあッ…あ、あー♡」
「珠ちゃんの子宮だ、この奥だよ…これまでもいっぱい注いで来たけど、ピルで邪魔されてたんだよね。辞めたらぜーんぶ珠ちゃんの卵子目掛けて泳いで行くんだよ、ボクの精子♡」
「キモいこと言うなって」
「囲んで、誰が受精するか喧嘩とかするのかな、ボクの子種だからみんな足は速いだろうね?」
「泳ぎだし尻尾だし」
「珠ちゃんの卵子はやっぱり丸くってぽよぽよしてるのかな…マイクロスコープとか挿れて撮影したい♡」
これは「キモい」待ちなのか。
ずいずい突きながら逆光の中笑う篤人からポタリ汗が落ちた。
その汗を指で掬って私の唇へと運ぶ奴は最高に変態的で。
シルエットすら狂おしくイケメンで…
「……キモいな、篤人……お前しか無理」
と私なりの愛の言葉を贈ると中の篤人が更に逞しく張る。
「他を知らないくせに♡知る必要も無いけどね、んッ♡」
「変態夫婦だな、」
「照れる♡」
「褒めてねぇよ」
後日我々は予定通り婚姻届を提出して夫婦となり、なんら変わることなく普段の生活をしばらくは続けた。
そして…ある日篤人宛に『精密機器』とシールの貼られた荷物が届いて中身が暗視カメラだと知るのも、丸い球に向かって小人な篤人軍が駆けて一等を競うというシュールなゲーム『タマミン』が制作されるのも、もう少し先の未来の話だ。
…In the near future…
「お疲れさま…いやー、売れたね」
「…世の中、物好きが多いんだな」
「そうかもね……次は産後かな、育成ゲームとか作ろう」
「うん…あ、動いた!篤人、ここ触って」
「どれどれ…珠ちゃんのお腹、丸くて可愛いなぁ♡」
「物好きだな、ふふ」
The story is over….
0
お気に入りに追加
55
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

オオカミ課長は、部下のウサギちゃんを溺愛したくてたまらない
若松だんご
恋愛
――俺には、将来を誓った相手がいるんです。
お昼休み。通りがかった一階ロビーで繰り広げられてた修羅場。あ~課長だあ~、大変だな~、女性の方、とっても美人だな~、ぐらいで通り過ぎようと思ってたのに。
――この人です! この人と結婚を前提につき合ってるんです。
ほげええっ!?
ちょっ、ちょっと待ってください、課長!
あたしと課長って、ただの上司と部下ですよねっ!? いつから本人の了承もなく、そういう関係になったんですかっ!? あたし、おっそろしいオオカミ課長とそんな未来は予定しておりませんがっ!?
課長が、専務の令嬢とのおつき合いを断るネタにされてしまったあたし。それだけでも大変なのに、あたしの住むアパートの部屋が、上の住人の失態で水浸しになって引っ越しを余儀なくされて。
――俺のところに来い。
オオカミ課長に、強引に同居させられた。
――この方が、恋人らしいだろ。
うん。そうなんだけど。そうなんですけど。
気分は、オオカミの巣穴に連れ込まれたウサギ。
イケメンだけどおっかないオオカミ課長と、どんくさくって天然の部下ウサギ。
(仮)の恋人なのに、どうやらオオカミ課長は、ウサギをかまいたくてしかたないようで――???
すれ違いと勘違いと溺愛がすぎる二人の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる