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episode:4…修行
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しおりを挟む「珠ちゃん、もう少しで生理だよね?ちゃんと来たかどうか、またメールしてね」
「キモ」
「何で、ボクにも責任あるんだから…ね、」
「うん……篤人、明日…デートなんだろ」
「うん……カノジョと初エッチだよ」
そう言う篤人は航海士みたいに天井よりもっと遠くを見るように切なげに息を吐いて時計を確認した。
惚れた女のための大一番なら格好もつくだろうが残念ながらそうではない。
彼らが挑むのは互いに面子と保身と見栄を掛けたセックスだ。
「いよいよ本番か…気張れよ」
「うん…頑張る…平穏な日々のために」
「うん…」
そもそもの動機がおかしいんだ、気に入られるためにセックスの腕を磨くなんて。
でもそれに付き合っている私もおかしい奴だ、つまりはおかしな奴同士お似合いなのかもしれない。
「しかし…セックスって…してみると案外なんてこと無いな」
「そう?してるとキレイになるって言うけど」
「ホルモンとか出るのかな?まぁ…デトックスにはなるのかもな」
「…脂肪も出て行けば良いのにね」
「あ、お前…デブをいじりやがったな」
「珠ちゃんはぽっちゃりだよ、それは事実」
「事実でも人に言われりゃ腹立つわ」
「今よりもっとデブだった頃を知ってるからね、今は細い方だよ」
「ハッキリ言うなって」
連日裸を見ていれば表現や扱いに遠慮が無くなるものだ。
篤人は私のことを「可愛い」と言いながら太っていることはきっぱり指摘してくる。
「小ブタちゃんみたいで可愛いよ」
「それ悪口だぞ」
「そう?飼われてるブタは清潔だよ。そして愛嬌があって可愛い」
「じゃあ、私も飼ってくれる人探すわ」
「それが良いかもね」
篤人はボスに飼い慣らされてるんだもんな、そして明日は私で鍛えたその棒で奉仕する訳だ、カノジョさんもお気に召せば良いのだが。
聞けばこの連日は「予定が入って」と放課後デートも断っているらしい。
浮気を疑われてヒヤヒヤもしたが自慢の顔を使って機嫌を取ってきたそうだ。
「しかし…カノジョさんも結構な経験者なんだろ?篤人が張り合えんのかな」
「どうだろ…正直、エッチな気分になるかどうかだよね」
「え、超美人だろ、ギンギンだろ」
「んー…珠ちゃんのボリューミーな体になれちゃったからなぁ…まぁ薄目で頑張るよ」
くしゃっと笑った篤人は何箱目かのコンドームの最後のひとつを手に取って、
「これが最後ね、いただきます…小ブタちゃん♡」
と非礼な挨拶をして最後の晩餐を美味しくいただいた。
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