幼馴染はイケメン高学歴リア充、だけどぽっちゃり喪女の私に夢中でなかなかの変態だからもったいない。

茜琉ぴーたん

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epilogue…

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「まぁ…無理にとは言わねぇけど…」

「…珠ちゃんはボクのだ、やっと実感できてきたんだ…離したくない」

もしや泣いているのか、枕を通した声が震えている。

「篤人落ち着け。子作りしたって私が篤人から離れる訳じゃねぇよ……篤人の子なら可愛いと思うんだけどな」

「そりゃそうだよ…ボクはイケメンだもん…そのボクが可愛い珠ちゃんと子作りしたら可愛い子が生まれるに決まってる」

「あっそう」

「…それなのに…嫌なんだ。まだ見ぬ命を嫌だと思っちゃう不謹慎でガキな自分も嫌だ…」

「篤人、疲れてんだよ。ちょっと休めよ」


 何でも器用にこなす篤人だって、社会人になってからは理不尽な要求や不本意な待遇に気を揉むこともしばしばだ。

 しかも職場に関する弱音を私には吐かないもんだから腹に溜め込みがちだ。

 私がダメダメだからキチンとしなければと余計に気負うのだろう。

 ここを支え合っていけたら私たちはもう一歩先に進めるのだが…私が頼りないから篤人に負担を掛けてしまう。

「ボクにとっては珠ちゃんとのエッチが慈養強壮剤みたいなもんだよ」

「どんなシステム…ほら、寝よう」

「うん……ごめん、もっと、しっかりしなきゃなぁ」

「篤人は充分しっかり者だ、私がもっと自立しなきゃいけねぇんだよ」

蹴り落としていた布団を拾い掛けて、呼吸を妨げないよう口元を出してやる。

 いそいそ隣に滑り込めば生肌が少しひんやりして次第に温まっていく。

 独占欲の塊になった篤人は小さな命をディスってしまった嫌悪感と闘っているようだ。

 私にはよく分からないが自分の遺伝子を受け継いだとしてもライバル視してしまうものなのだろうか。

 もしくは受け継いでいるからなのか、篤人そっくりな子なら私の気を引いて構わせて篤人の悔しがる姿を見て笑うくらいのことはしそうだ。

 それなら尚のことお前との子が欲しいな。

 篤人の髪を撫でていると母性みたいなものが私の心に穏やかさと安らぎをもたらしてくれる。


「…その、篤人、子供はまた考えるとして…籍だけ先に入れちまうか?」

「…良いの?」

「遅かれ早かれだろ…私のこと、こんなに想ってくれる奴はお前しかいねぇ、これは今後変わりゃしねぇよ…そうだろ?」

覚悟はできてる、ときめかなくたって感じなくたって篤人と居れば安心するし困ることがない。

 好きはもう当たり前にあるもので刺激なんて求めちゃいない。

 まぁセックスにおいては刺激ばかりだけど、それでも私が本気で嫌がることはしないだろうと適度な信頼感もある。

 友達から恋人へ、恋人から夫婦へ、気楽で頼れて何でも話せる仲だ、そして篤人はとびっきりの愛情を私へ表してくれる。

 慣れてるだけで冷めてる訳じゃない。

 これを自覚するには結構な時間が掛かったけど…篤人もデレるだけの私だと物足りないんじゃないかと思う。 

「もちろんだよ…あ、嬉しい、勃起してきた」

「何でだよ」

「嬉しいからだよ、珠ちゃん、もう一回言わせて、ボクと結婚しよう!」


 なんて脈絡の無いプロポーズだろう。

 でもこの後の展開だって読めてるから

「あぁ、いいぜ」

と応えて強烈なハグに備えた。

「……ふふっ…」

「篤人?」

 予想外に飛び込んで来なかったから体を起こして顔を覗き込もうとすると、篤人はバキバキに血走った目を私に向けてニタァと笑う。

「フル勃起だ、いただきます」

「ぎゃッ」

「珠ちゃん、ボクは珠ちゃんが居てくれたら幸せだよ、んッ♡でも子供も良いな、珠ちゃんの分身だと思えば何だって嬉しいや♡」

「男の子だったら、嫉妬するだろうなッ」

「女の子だったら、珠ちゃんみたいに塩対応かな、困る♡」

「馬ァ鹿、篤人にメロメロになるだろうよ、こんなにイケメンなパパならよ」

 プロポーズを挟んだセックスも残念ながら私の感度は右肩下がり、頭は最後まで冷静で終いには改姓に伴う書類提出とか各種名義変更とかそんなことを考えながらゆさゆさ揺れていた。

 当面は二人の生活だけど篤人が勤続5年くらいになったら妊活でもしてみようかな。

 料理ももっと覚えて新婚さんらしいこともしてみたい。
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